特集「キャッチ」 被災地に寄り添う北九州市の中学生

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福岡2021.11.24 17:53

特集「キャッチ」です。毎年のように豪雨や地震など全国各地で自然災害の被害が出る中、北九州市の中学生が被災地を訪問し、支援のあり方について考えています。

11月、北九州市八幡西区の則松中学校で行われた文化祭です。

■山本さん
「鉄橋が流されて来たというお話からも自然の脅威を感じました。」

■浦田さん
「復興への道のりは長いと感じました。」

伝えているのは、豪雨で被害を受けた九州の被災地の現状です。『きずなプロジェクト』と名付け、自分の足で被災地を歩き、声を聞いた中学生たち。『15歳の私たちにできることは何なのか』。

10月、一堂に会したきずなプロジェクトのメンバー16人です。向かったのは、豪雨で被害を受けた大分県日田市の被災地です。リーダーの3年生の木村有希さん(15)です。

■木村有希さん
「しっかり学校に持ち帰りたいと思いますので、
本日はよろしくお願いします」

木村さんたちメンバーは、おととしから豪雨や地震などの災害について学んでいます。木村さんは去年、被災から間もない時期に、日田市を訪れてました。大分有数の温泉地・天ヶ瀬温泉は、去年7月の豪雨で甚大な被害を受けました。温泉街を流れる玖珠川が氾濫。シンボルだった赤いつり橋は流され、多くの旅館が被災しました。

■木村さん
「(去年、被災地を見て)声も出ない、言葉も出ない。思った以上に被害がすごくて、復興というのが、全然進んでいない状況だった。」

それから1年、再び天ヶ瀬温泉を訪れたのは、復興の歩みを実際に確かめたいと考えたからでした。

■近藤真平さん
「(この)つり橋も3分の1くらいかな、壊れてしまったんですけれど、赤いつり橋が架かっている風景が天ヶ瀬の風景ということで、復興のシンボルみたいな形ですね。」

被災した赤いつり橋は、改修され、橋につながる老舗旅館・成天閣も再建されました。ロビーに掲げられた看板は、濁流に流されましたが、100キロ先の有明海で見つかり、漁師が届けてくれました。

■近藤さん
「(こちらの)旅館をもう一回再開するのかどうかとすごく悩んでいたみたいなんですけれど、(看板が戻って)なんとか前向きになることができて、復興に向かって進んでいる状況です。」

続いて、生徒たちが向かったのは福岡県朝倉市。一部の地域には、4年前の九州北部豪雨の深い爪痕が残っています。

■梨農家・鳥巣さん
「この向こうに梨園も1反半くらい(面積は)あったんですけれど、あの時、2017年水害で全部やられまして皆無でしたね。」

鳥巣さんの農園は跡形もなく、4年前の濁流で押し流された流木が、あの日のまま残っていました。

■鳥巣さん
「本当に地元の人たちがおりません。僕が(もうすぐ)67歳、この辺の人に言わせるとお前ら若いもんじゃけれど、若いもんになっています。」

災害は、過疎化に拍車をかけ、豪雨の後、住民の半数にあたる130人が出ていったままだと言います。豪雨から4年あまりたっても、以前の生活を取り戻せない『厳しい被災地の現実』を突き付けられました。

■木村さん
「(朝倉は)どんどん人が少なくなってしまって、どうしようかなという感じで、この事実を多くの人に知ってもらうことが大切だと思います。」

生徒たちが動き出しました。日田のまんじゅうに朝倉の梨、わずかでも義援金を送ろうと、被災地の特産品を購入し、バザーを行うことにしたのです。全校生徒や保護者に呼びかけ、31万円を売り上げました。

■木村さん
「サブタイトル何にする?“きずなプロジェクト”が最初にくるんよ。」

■生徒
「私たちにできること。」

■木村さん
「いい。」

被災地で見て、聞いて。メンバー皆で考えたことを、現状を知らない生徒たちに文化祭で報告します。

■木村さん
「一番伝えたいのは、つり橋ですね。赤い橋。もとの部分が危ないくらいの感じで、1年たって、本当にすごく驚いて、うれしい気持ちにもなりました。ここまで復興しているのかと、ただ、朝倉地方の方は、まだ復興が進んでいなくて、それぞれの状況とかでも、しっかり伝えていけたらいいなと思っています。」

半年間をかけた『きずなプロジェクト』。メンバー全員による報告です。

■山本さん
「天ヶ瀬温泉の写真です。6トンの重さがある鉄橋が流れてきたというお話をからも、自然の脅威を感じました。これは、今年の様子です。2枚の写真を比べると、橋がつながり、大きく復旧が進んでいることが分かります。」

■生徒
「福岡県朝倉市は九州北部豪雨の被害を受けました。農業を続けることをあきらめ、他の町へと引っ越す人が多く、地域の人口自体も大きく減ってしまったとのお話も伺いました。」

■生徒
「時間がたてば、災害が起こったことすら、私たちは忘れてしまいます。私たち中学生ができることは、ほんのわずかなことかもしれません。しかし、今回のこの報告で、1人でも多くの人が被災地への興味を持ってくれるといいなと思っています。」

被災地の現実を目の当たりにし、伝え、そして、行動に移した中学生たち。その経験は、きっと未来へとつながっていくはずです。

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