《防災とキャンプ》 小学校で“防災キャンプ” 県や企業も防災グッズ通じ「避難所体験キャンプ」 災害発生時の対応力を

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新潟2021.10.14 19:47

レジャー目的のキャンプ用品を活用するなど柔軟な発想によって災害発生時の避難生活に備えようという動きが出ています。

<児童たち>「はい、置いて。はいオッケー!。一発でオッケー!」

新潟県佐渡市・高千小学校の体育館でテントを組み立てる子どもたち。テントは一般のキャンプで使われるレジャー用の製品ですが、この日行われていたのは普通のキャンプではありません。学校に1泊して様々なことを体験する「防災キャンプ」です。

<先生>「洗い物に使える水は、1人ペットボトル1本分です」

児童は水不足を想定した中で料理を作るなど、実践を通して防災に関することを体験します。

<参加した児童は>「うまい!みんなの努力が詰まった。」

2019年6月、村上市で震度6強を観測した山形県沖地震。県内では7人が重軽傷を負い、村上市内では住宅など644棟に被害が出ました。

<当時の佐渡市の防災無線>「気象庁本庁は佐渡に津波注意報を発表しました。海の中や海岸付近は危険です。」

この地震では佐渡市にも津波注意報が発表。高い場所へ逃げる人の姿が見られました。

<当時、避難した男性>「今回は津波が来ますって情報が入ったものだから、すぐ来たっちゃ。怖かったね。」

これを受けて、高千小学校では2年前に防災キャンプを開始。災害時の対応力を高める取り組みを進めています。

<児童は>「役立てるようにしっかりと作り方とか覚えて、おうちの人とかにも教えてあげたいです。」

一方、三条市にあるこちらの企業では…

<記者リポート>「ずらりと並んだキャンプ用品。実は災害の時に活用できるものが多くあるとして、いま注目が集まっています。」

キャンプ用品と防災用品。水道・電気などのライフラインがない場所での使用も求められる点で共通点があります。

こちらのマットは…

【キャプテンスタッグ 吉田直城さん】
「これを見ていただくと凹凸があるんです。これによって収納状態がより薄くなるようなそういった形状になっています。」

表面のデコボコが交互に重なり合うことで、コンパクトに持ち運ぶことが可能になり、避難所などにも持っていきやすくなります。

ライトとラジオが一体となったランタンラジオにも変わり種があります。暗闇で500ミリリットルのペットボトルを上に置くと、光が反射して周りを明るく照らすように変化します。

また、キャプテンスタッグには、キャンピングベッドの注文が備蓄用として新潟県外の自治体からも相次いでいるということです。

【キャプテンスタッグ 吉田直城さん】
「キャンプ用品はそもそもが外に持ち出して使うものですので、ご自身が普段キャンプで使っているもので使いやすい・気に入ってるものがあるということであれば、そういったものが避難所生活をより快適にしてくれるんじゃないかなと思います。」

災害発生時の対応をキャンプ体験を通して深めてもらう取り組みは      広まりつつあります。

新潟県はことし11月に企業の防災グッズを使用して一般の人が災害を学ぶ『避難所体験キャンプ』を上越市で初めて開催します。

その『避難所体験キャンプ』に防災グッズを提供する企業が10月8日に集まり、一泊二日のキャンプで自社製品をどう活用してもらうか、企業の枠を越えて話し合いました。

また、この日は、避難所の実態に関して防災士から説明を受けました。

【防災士 河内毅さん】
「2004年10月23日が中越地震でしたけれども、翌10月24日の小千谷の総合体育館(避難所)の様子を再現していただいたものです。コロナ禍では考えられないんですけども、7メートル×3メートルのところに20人くらい入っている状況になっています。」

2004年の中越地震当時、避難所には狭いスペースに身を寄せ合う住民の姿がありました。

【防災士 河内毅さん】
「今回はどうしたら今までの避難所の概念にとらわれず、どういうふうにしたら快適な避難空間が作られるのか。『避難所ってもっと快適になるじゃん』という発想を一歩先までしてもらって…」

避難所での生活を少しでも安全・安心そして快適に過ごせるようにできないか。今回の体験キャンプにはそういった点を考える狙いも含まれています。

【参加企業同士の話し合い】
「災害現場ですと、屋外で救援復旧作業される方々が利用されてるような商品なんですが、朝にこういった非常食を体験していただけたらありがたい。」「テントの入り口に、(布に)名前を書いてもらって、目印にしてもらって看板にしてもらいたい。」

中にはこんな企業もありました。

【進展工業 和田一雄さん】
「簡易トイレだとか、それにまつわる実際のトイレを提供してます。」

見せてくれたのは持ち運びしやすい携帯トイレです。

【進展工業 和田一雄さん】
「これが臭いをとります。それと液体を固めるポリマーの炭のやつです。」

この商品は約1分で500ミリリットルの水分を吸収します。キャンプなどで持って行きやすいのはもちろん、非常時にも役立つということです。『避難所体験キャンプ』を開く新潟県の担当者は…

【新潟県産業政策課 高本清彦さん】
「防災用品というのはいろいろあるんですけれども、一般家庭で備蓄したりとか、備えるというのは少しハードルが高かったりというところもあると思うので、なるべく日常に近い環境のキャンプというような建て付けの中で、防災用品なんかを使っていただき、身近に商品を感じていただければ。」

キャンプというレジャーから災害発生時の対応にアプローチする試み。柔軟な発想が避難所の改善や防災意識の高まりにつながるよう期待されています。

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