旅館の仲居さんが…企業と学校が雇用シェア

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鳥取2021.02.18 09:40

児童たちから「尚子先生」と親しまれている中村尚子さんは、1月に鳥取県三朝(みささ)町の三朝小学校に赴任してきたばかり。仕事は主に、校内の掃除や消毒作業など。丁寧でテキパキした仕事ぶりが評判となっている。
扉を開ける同僚の先生が出かけるのに気づくと「いってらっしゃいませ~」と笑顔で、気配りのある対応。というのも尚子先生、実は本業は旅館の仲居さんだった。一体、なぜ旅館の仲居さんが小学校に赴任していたのか。
山陰屈指の名湯として知られる鳥取県三朝町の三朝温泉。その中にある老舗旅館「万翆楼」で、中村尚子さんは働いている。しかし新型コロナ感染拡大によるGoTOトラベルの一時停止で、万翆楼は休館状態に。従業員も休業で働く場を失ってしまった。
万翠楼の森田純一支配人は「休んでばっかりだったらモチベーションが下がる一方。特にこの業界は、人と接してモチベーションがあがる職業なのでどんどん働いた方がいいかなと思う。」と話す。
そこで、万翆楼が目を付けたのが、文部科学省が開設した「学校雇用シェアリンク」。コロナ禍で苦境に陥る民間企業と、人手が必要な学校などをつなぐというもの。専用ホームページに登録し、お互いの条件がマッチしたら企業から学校などに人材の派遣を行うことができる。中村さん働く万翆楼がこの制度を使ってみたところ、たまたま地元の三朝小学校の求人を発見し、旅館から中村さんに小学校での勤務を打診した。
現在は週に5日学校で働いている中村さん。学校では主に消毒作業を担当している。仲居さんだけあってこうした作業はお手の物だ。三朝小の校長は「非常に私たちに対する態度であったりとか、子どもたちにも非常にうまく接していただいていて、さすが(接客の)プロだなと思っている。」と働きぶりを評価している。
これまでは学校の消毒作業は主に教職員の仕事だった。教職員にとっては、授業とともにこうした消毒作業を行うのは大きな負担となっていたため、中村さんの加入は学校にとってはまさに大助かりだという。
三朝小学校に赴任して約1か月。いまでは児童たちともすっかり打ち解けている。この日は、児童から感謝の気持ちをつづった手紙をもらった。接客業に携わる中村さんにとって、こうした感謝の言葉をもらえることが大きなモチベーションにつながるという。
中村さんは「本当にかわいい。子どもたちに会うのが毎日楽しみだね。」と話す。
そして2月13日。中村さんにとって1か月ぶりの旅館での仕事となった。新型コロナの影響が続く中、まだまだ宿泊客は多くはないが、客室の準備をしたり料理を出したりと、動きっぱなし。
「(仲居の仕事は)ウキウキ。楽しみにしていた」とうれしそうな表情を見せた
ここでも消毒作業を始めた中村さん。なぜか低い場所を念入りに拭いていた。
「子どもって不思議で、机の裏側とか、なんでって感じのところまで触るよね。だからこういったところを徹底して拭かないと安心して来ていただくことはできない。」と、小学校での経験から、本業での接客の際も子ども目線を心掛けるようになったという。
「小学校に行って子供たちから元気をもらって、この子達のために三朝町・温泉街を活気づけてあげないといけないと思った」と話した。
望むのは週5日旅館で働けるようになること。1日も早い、新型コロナの終息を願っている。

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