北陸の十字路構想 観光振興と広域連携

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富山2021.02.23 18:55

 先日発表された富山県の新年度予算案から、狙いや課題を考えるシリーズです。23日は、3年後に予定される北陸新幹線の敦賀開業を見据えた、交通や観光振興、キーワードは「広域連携」です。

 新田知事「これからの地方都市、地方のありかたの1つは連携。富山空港と近くにある小松空港、例えばこの役割分担というものも今後お互いのために、ウインウインになるような役割分担というものは進めていく必要がある。だぶっている路線は、両方でやることもないんじゃないかという連携の仕方、役割分担のしかたもある」

 富山空港と石川県の小松空港。直線距離でおよそ75キロ離れた2つの空港は、国際線で上海便と台北便、国内線で東京便と札幌便がそれぞれ重複しています。

 かつては国際線就航をめぐり激しい誘致合戦を繰り広げた両県の空の玄関口。新田知事は、重複路線を整理して互いの負担の軽減を図りつつ、小松では難しいプライベートジェットを受け入れたい考えです。

 北陸の経済や観光の動向を研究している、北陸経済研究所の藤沢和弘部長は思い切った提案だと評価します。


 北陸経済研究所 藤沢和弘部長「一歩間違うと富山空港がなくなるというのに直結しちゃう。それは県民自体の論議が広く必要だと思う。ただ、いまの時点でそういう話を出したというのは、勇気があるなと思う」

 去年の知事選で新田知事が掲げた「北陸の十字路」構想。東西に北陸新幹線と北陸道、南北に東海北陸道と能越道が通る富山県は、交通インフラに加えて、産業や防災の面でも北陸の中心になることができると主張します。

 新型コロナウイルスの影響で観光需要の落ち込むなか、石川や岐阜、長野といった隣県との連携はいわば公約の1丁目1番地です。

 新田知事「(両県で)情報共有、課題を共有したうえで、一緒にできることを探っていければ、いずれにしてもウインウインの関係を、どうかよろしくお願いします」

 石川県 谷本知事「北陸新幹線というものを軸にして、様々、これから連携を取っていかなければならない」

 新年度予算案では、国のGoToトラベルキャンペーン終了後を見据えた北陸3県合同の宿泊割引や、特産品の贈呈を行うウエルカム富山キャンペーンの事業費として5億8千万円、コロナ収束後のインバウンド需要をにらみ、欧米地域の富裕層などをターゲットにした長野県白馬との旅行タイアップ商品開発に230万円を計上しています。

 そして軸に据えるのが、当初の予定から1年遅れの2024年春に敦賀開業を控える北陸新幹線です。今回の予算案では、大阪で開かれる観光見本市へのブース出展事業費などに900万円を計上しています。

 県の関係者は敦賀開業が1年遅れたことで「時間が稼げた」として、新型コロナ収束後に向けて準備を進めています。

 これまで県は、立山黒部や産業観光などどちらかというと単独での観光振興に軸足を置いていました。その一方で隣県に目をやれば、石川には兼六園、岐阜には高山や白川郷と、集客力の高い観光スポットがあります。

 広域連携は、この強力な集客力を取り込みつつ、観光客の周遊を図る戦略です。

 北陸経済研究所 藤沢和弘部長「日本的なすごい悪い言葉でいうとコバンザメっていう言い方になるが、金沢になくて富山にあるもの、例えば自然であったりそこをクローズアップしていけば金沢に来たお客さんが富山に寄って帰っていく、逆もあると思う。そうやって北陸の中での人の滞留を増やしていく、それが1つの北陸ブランドになっている。そういうコンテンツはお互いに考えながらやっていく」

 周辺県との連携を「したたかに」図る新田県政。富山の観光振興もまた、方針転換を図る「十字路」に差し掛かっています。

 24日は、デジタル技術を活用した市場や産業の変革「デジタルトランスフォーメーション」について、お伝えします。

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