人間国宝の澤村田之助、旭日小綬章を受章

2013年4月29日 5:00

要約

歌舞伎俳優で人間国宝の六代目澤村田之助が平成25年度の春の叙勲で旭日小綬章を受章し、先ごろ、都内で会見を行った。文部科学省から受章の知らせがあったときの心境を「驚きました。家族も驚きました」

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 歌舞伎俳優で人間国宝の六代目澤村田之助(80)が平成25年度の春の叙勲で旭日小綬章を受章し、先ごろ、都内で会見を行った。

 東京大空襲で全焼した第3期歌舞伎座で、昭和16年に初舞台を踏んだという歌舞伎界の生き字引。六代目尾上菊五郎と七代目尾上梅幸の薫陶を受けた女形として、品格と風格のある芸でファンを魅了。昭和59年からは国立劇場歌舞伎俳優研修の講師を勤めるなど、後進の育成にも力を注いでいる。

 文部科学省から受章の知らせがあったときの心境を「驚きました。家族も驚きました」と率直に語り、「(私は)本当に歌舞伎のことしかまったく分かりませんし、世間知らずでお恥ずかしいのですが、こんなにうれしいことはないのです」。多くの名優と芝居をしてきた幼少期を回想し、「今は寂しいですね。歌舞伎の世界はこの間、成田屋さん(市川團十郎)と中村屋さん(中村勘三郎)のおふたりが亡くなられて。上の方がだんだんだんだんいなくなってくる。本当に寂しい思いです」としんみりする場面もあった。

 年齢を経て「女形の職業病」にも苦しんだ。
 世話物の女形は立ったり座ったりがせわしなく「そのおかげでひざがめちゃくちゃに壊れまして。10年程前に片脚、8年程前に片脚、と人工関節にかえましたので、正座ができなくなりました」と悲しみを吐露。「これは私にとって大変な悔しさでございます。やはり女形で舞台に立ちたいです。本当に悔しいです。そういうお役がだんだん自分から離れていく寂しさは、役者にこれ以上の寂しさはございません」とままならない現状を打ち明け、「ですから余計に国立劇場の養成科へ入ってくる貴重な人たちのお世話をしたいと思います」と演技に代わる自らの使命を口にした。

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