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貨物輸送再開“コロナ流入”警戒の中朝国境

2022年1月18日 21:31

新型コロナウイルスの流入を警戒し、およそ2年にわたり国境を封鎖してきた北朝鮮が、中国からの物資の受け入れを再開しました。物流が再開された国境地帯では、厳戒態勢でコロナを警戒する様子が見えました。

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新型コロナの感染者が1人も出ていないとする北朝鮮。

記者
「国境の北朝鮮側です。いま、気温マイナス7℃なんですが、外で警戒にあたっている兵士の姿が見えます」

中国からの新型コロナの流入を警戒する北朝鮮はこの2年間、厳しく国境を封鎖してきました。

記者
「工場でしょうか、いくつか煙突がありますが、煙はでていないですね」

国境封鎖のため、“物資不足”も伝えられる北朝鮮。

同じような動きは中国でも。

記者
「中国のほうでも、北朝鮮からのコロナの流入を恐れてか、国境の川沿いに鉄条網の設置をはじめているんです」

友好国としつつ、お互い相手の感染状況に神経をとがらせる中国と北朝鮮。しかし今週、“新たな動き”がありました。

記者(中国・遼寧省丹東、18日)
「中国と北朝鮮の国境ですけど、いま中国側から北朝鮮に向けて貨物列車が向かっています」

貨物に限定して陸路の輸送が再開しました。

日本テレビのカメラが捉えたのは、出発前の車両です。中国側の厳戒ぶりが映し出されていました。

早朝から車両の周辺で作業する防護服姿のスタッフたち。白い容器とポンプのようなものを線路上に設置しています。北朝鮮と行き来する車両を消毒するためでしょうか。機関車は大量の消毒液をかけたためか、車体が白っぽくなっていました。

そして、作業を終えた中国側スタッフは消毒用の部屋へ。最後には、やはり防護服姿の運転士が乗車していました。

車両の側面には「丹東(中国)」、「西浦(北朝鮮)」のハングル。西浦は北朝鮮の首都・平壌の北部にある物資集積地点です。中国からの物資は一定期間「隔離」したあと、平壌に運び込まれるとみられます。

北朝鮮への大量の物資。一体どんなものが運ばれたのでしょうか。

記者
「こちら、街の中心部から少し離れた場所になるんですけど、ここでひそかに北朝鮮への物資の積み込みが行われています」

迷彩服の男性たちが車両に積み込んでいたのは、多くの段ボールです。

記者
「これは食用油ですね。食用油を北朝鮮向けの貨物に積み込んでいるようです」

さらに車を走らせると、何十両ものおびただしい北朝鮮の貨物車両が現れました。中国と北朝鮮は、互いにコロナへの厳戒態勢を取りつつ、往来の再開に向けて動き出しています。