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オミクロン株…医師がイラスト付きで解説

2022年1月18日 18:05
オミクロン株…医師がイラスト付きで解説

21日から東京など1都12県で、まん延防止等重点措置が適用される方針となりました。オミクロン株が広がっていますが、特徴を医師がイラスト付きで、分かりやすく解説しているので、詳しくお伝えします。

■1都12県で“まん延防止”の方針固める

東京の感染者の1日あたりの新規感染者数の推移ですが、去年8月に過去最多の5908人となり、その後、ぐっと下がってきましたが、今月に入って何倍にも急拡大していて、17日は3719人でした。月曜日としては、過去最多となりました。この角度で増えると、今週にも過去最多を上回るかもしれません。

感染者の急増に伴い、病床使用率も上がってきています。東京の病床使用率は、17日時点で21.1%で、都が国にまん延防止等重点措置の要請を検討する基準とした20%を超えました。

首都圏では他にも埼玉で30.5%、神奈川で16.7%、千葉で13.3%となっています。こうした状況を受け、首都圏の1都3県の知事はテレビ会議を行い、まん延防止等重点措置の適用を政府に正式に要請しました。政府が新たにまん延防止等重点措置を適用する方針を固めたのは、東京など1都3県と群馬、愛知、香川、長崎、熊本などの1都12県です。期間は21日から3連休が終わる来月13日までです。

■医師がオミクロン株のイラスト付き説明書を公開

今回の第6波は、感染力が強いとされるオミクロン株との戦いです。この見えない敵を知るため、医師がイラスト付きで、分かりやすい説明書を公開しました。

18日、長野県の諏訪中央病院のホームページにアップされた「新型コロナウイルス感染をのりこえるための説明書 オミクロン株編~オミクロンって結局どーなの?~」で、24ページにわたる解説です。作成したのは、諏訪中央病院の総合診療科・玉井道裕医師です。玉井医師はこれまでも「デルタ株編」や「ワクチン編」なども作成してきて、自治体のホームページで引用されたり、SNSでも話題になってきました。

オミクロン編が登場したので、一部をお伝えします。

まずは「敵を知らないと…」というタイトルで、「オミクロンって弱毒なんでしょ」と甘く見た態度の人や「オミクロンって感染力がすごいんだって、ワクチンきかないんだって、もうダメだ~」と恐れすぎた人がイラストで描かれています。

世間では情報があふれすぎているので、「過度に恐れず、甘くみすぎず、正しく対応しましょう!」と、これがこの説明書を作成した大前提となっています。

オミクロン株は「重症化しにくい」といわれていますが、どう恐れたらいいのか。玉井先生はこのように表現しています。

「オミクロンは軽症だから大丈夫?」というタイトルで、「感染しても問題ないぜ!」といったイラストがありますが、このような人にドクターは「確かにあなたは大丈夫かもしれません。今回の波の死者は少ないかもしれません。ですが…あなたの知らない所で、この流行で必ず誰かは大変な目にあいます」と説明しています。

説明書には、ドミノのイラストがありますが、真ん中に具合の悪そうなドミノがあり、倒れます。「あなたのおじいちゃん、おばあちゃんに万が一のことがあっても、まだ『オミクロンは軽症だから大丈夫!』と言えますか?」と言っています。

そして、「重症化する確率は0ではありません。『かぜ』といえるくらい軽いものではない」と付け加えています。

■「かぜ」をひいたら、コロナにかかったと思って

そして、流行地で「この時期に『かぜ』をひいたら、コロナにかかったと思ってください」と注意喚起もしています。

風邪の症状もオミクロン株の症状もほぼ同じです。医者としては、コロナなのか風邪なのか、「症状だけで見分けるのはムリ」ということです。そのため「見分けるためには検査するしかありません」としています。

「『いつものかぜ』として、そのまま仕事や生活を続けると、クラスターの原因になってしまう可能性があります」と話しています。「えー!いつものかぜだと思ったのに、これがコロナですかー!?という人続出」と、お医者さんならではのコメントです。

■ワクチンはシートベルトみたいなもの

そして、ワクチン接種の意味合いについてもオリジナリティあふれる解説です。

ワクチンのイメージとして「コロナに感染することは、車でいうと事故です。どんなに気をつけていても、事故(感染)は起こります。ワクチンはシートベルトみたいなものです。事故(感染)にあっても、大けがは防げます」と説明しています。

そして、「ワクチン3回目はエアバッグみたいなもので、さらに体を守ってくれる」と例えています。

また玉井医師によると、オミクロン株はデルタ株より「病原性が下がった」ということです。つまり、重症化リスクなどが下がったとされるとはいえ、「車のスピードが時速100キロから50キロに下がったようなものです。大けがのリスクは減りましたが、打ちどころが悪いと、命に関わります。」と説明していて、「治療薬は色々でてきましたが、事故(感染)にあわないのが一番です」と言っています。

そして、最後に玉井医師の今の思いが込められています。

「正しい情報という『心の盾』で、オミクロンに心まで侵されないように第6波をのりこえましょう!」、「これが最後の波でありますように」との祈りが添えられています。

オミクロン株は大丈夫というイメージを持つ人がいるかもしれません。このようなものを題材に、改めて過度に恐れず、甘くみすぎず、正しく感染対策をしましょう。

(1月18日午後4時30分ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)