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米・首席医療顧問「根絶はできない」

2022年1月12日 21:00

オミクロン株の感染が広がり、新規感染者数と入院患者数が過去最多を更新したアメリカ。ファウチ首席医療顧問は、“ウイルスとの共存”を前提とした新たなコロナ対策の国家戦略が必要になると指摘しました。

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これまで感染者が6000万人を超え、最悪の感染状況となっているアメリカ。(感染者 6230万8472人 死者 84万2141人 米ジョンズ・ホプキンス大 12日午後5時時点)

CDC(=疾病対策センター)の集計では、1月10日には新規感染者が140万人を超え、過去最多を更新しました。

この状況を受け、フェイスブックを運営するアメリカのIT大手のメタは、オフィスへの出社にワクチンの追加接種を義務づけることを明らかにしました。すでに従業員にワクチン接種を義務づけていましたが、さらに強化した形です。

深刻化するオミクロン株の感染拡大。その中で、ファウチ首席医療顧問が示したのは“ウイルスとの共存”でした。

アメリカ ファウチ首席医療顧問
「オミクロン株のこれまでにない感染力の強さによって、最終的にはほとんどの人が感染すると思う。根絶はできない」

ウイルスとの共存を考える“新たな段階に近づいている”と思うと述べ、共存を前提とした新たなコロナ対策の国家戦略が必要になるとも指摘しています。

その一方で、“まだ共存する段階には至っていない”とする理由が、入院や死者の多さです。アメリカ保健福祉省によりますと、11日時点の入院患者は14万5982人で、過去最多を更新。

現地メディアは、全米の5000の病院のおよそ24%が「深刻な人手不足に直面している」と報じています。