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専門家「重症化率低いなら隔離期間短縮も」

2022年1月11日 1:49
専門家「重症化率低いなら隔離期間短縮も」

新型コロナウイルスのオミクロン株の感染拡大で、イギリスでは清掃職員の多くが感染してゴミの回収ができなくなるなど、世界各地でエッセンシャルワーカーが働けず社会インフラが止まるという事態が起きています。日本はどうすればいいのでしょうか?

■風邪の様な症状が多い?気をつけることは

有働由美子キャスター
「新型コロナウイルス感染者のうち、オミクロン株の割合ですが、東京では75%を超え、沖縄では先月30日時点で約97%にもなっています」

「厚生労働省アドバイザリーボードの資料によると、その沖縄で今月1日までに診断したオミクロン株感染者50人の症状を見てみますと、37.5℃以上の発熱が72%、せきが58%、全身の倦怠感や喉の痛み、頭痛なども多くなっていますが、一方で、これまでコロナの症状としてみられた嗅覚や味覚の障害は2%で、比較的少ないです」

「こうしたことからオミクロン株は、風邪の様な症状のケースが多いと言われているんですね」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク

「でも、気をつけなくてはいけないこともいろいろわかってきました。まず、ワクチン接種済みでも、一度感染したことがあっても感染します」

「次に、国立国際医療研究センターの報告によると、『症状が治まるのは早いとされています。でも、体からウイルスを排出する期間、つまり、人にうつす可能性がある期間は10日程度続く可能性がある』と報告されています」

「そして、オミクロン株は、今は若者中心の流行ということもあって、重症者が少ないようですが、高齢者にも広がれば、重症者が増える恐れがあります」

■ゴミ回収できず…エッセンシャルワーカーが働けず社会インフラが

有働
「医療従事者の方々にも感染者が出ると、医療現場が立ちゆかなくなるという問題もありますよね」

小野
「病院だけではないんです。今月6日、イギリスのロンドンで撮影された写真にはゴミの山が写っています。清掃職員の方が大勢感染してしまって、ゴミの回収が数日間できない所が出てきているんです」

「アメリカでは、飛行機の欠航が相次いでいます。運航スタッフの多くが感染してしまって、飛行機が飛ばせないのです。日本もこうしたことが起きる可能性があります。鉄道が運休したり、宅配がストップしたり」

「イギリスでは、先週は1日の感染者が20万人を超えて、エッセンシャルワーカーが働けないという事態も起きています。でも、『今のところ経済は止めませんよ』と。そして、感染者の隔離期間をこれまで10日間だったのを7日間にしましょう。今後、5日間に短縮することも検討しましょう。そうやってエッセンシャルワーカーの方々に早く復帰してもらって乗り切ろうというのです。この政策にはもちろん賛否があります」

■専門家「感染者の療養期間の短縮も検討を」

有働
「日本はどうしていけばいいでしょうかね?」

小野
「東邦大学・感染制御学研究室の小林寅てつ(吉を2つ横に並べる)教授は『社会のインフラを止めないためには、医療のひっ迫を避けるためには、重症化率が低いのであれば、濃厚接触者の隔離期間、今14日間なのを短縮の必要あるのではないか』『状況を見ながら感染者の療養期間の短縮も、検討してもいいのではないか』と話しています」

有働
「岸田首相は、新たな方針を明らかにするとしています。オミクロン株、少しずつ見えてきたことがある中で、どのくらいの期間、どうするのか、なぜそうするのか、そのあたりをわかりやすく示していただきたいと思います」

(1月10日放送『news zero』より)