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大学ラグビー 帝京大4大会ぶり10度目V

2022年1月9日 21:20
大学ラグビー 帝京大4大会ぶり10度目V

◇第58回全国大学ラグビー選手権大会決勝
 帝京大学27-14明治大学(9日、東京・国立競技場)

関東勢同士の対決となった試合、終始主導権を握ったのは帝京大でした。前半5分。敵陣深くでラインアウトのチャンスにつけると、こぼれたボールを副将の押川敦治選手が拾い、そのまま飛び込んで先制トライをあげます。さらに前半13分にも連続攻撃でチャンスを作った帝京大。右サイドにボールを展開すると、白國亮大選手がスピードを生かしてディフェンスを振り切りトライをあげました。

対する明治大は、東京オリンピック7人制日本代表の石田吉平選手を起点としてチャンスを作りますが、帝京大の激しいディフェンスを突破することができません。その後、帝京大がさらに2トライを追加し、20-0で前半を終えます。

迎えた後半、先に得点を奪ったのは明治大でした。後半9分、敵陣深くのラインアウトからモールを組むと、そのまま押し込みトライ。キックも決まり20-7と13点差とします。このまま流れは明治大に傾くかと思われましたが、帝京大の強靱(きょうじん)なスクラムが許しませんでした。

後半26分、帝京大は主将の細木康太郎選手を中心に明治大のスクラムを圧倒し、ペナルティーを獲得。そこから敵陣深くに入ると、NO.8の奥井章仁選手が力強い突進から走り切り、トライをあげます。その後のキックも決まり27-7と突き放しました。

明治大も後半35分にトライを奪い再び13点差としますが、反撃はここまで。試合を通して攻守で主導権を握った帝京大が、9連覇した2017年度以来となる4大会ぶり10度目の優勝を飾りました。

試合終了の笛とともに泣き崩れた帝京大の細木主将は、その後のインタビューで「苦しい時でもグループラウンドで一緒に闘っている仲間の顔を見て一生懸命頑張りました。これまでたくさんの応援やサポートをしてくれた人に本当に感謝したいです」と涙ながらに語りました。

また、試合後に行われた記者会見に登場した帝京大学の岩出雅之監督は「帝京大学の監督は今日のこの試合をもって終わりにしようと思っています」と、今季限りで監督を勇退することを発表しました。V9を含む、これまで帝京大学のすべての優勝を指揮してきた名将が、優勝を花道に次の世代へチームを引き継ぎます。

写真:YUTAKA/アフロスポーツ