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五輪野球・稲葉監督 手応えより“手探り”

2022年1月3日 19:02
五輪野球・稲葉監督 手応えより“手探り”

東京五輪 野球の監督を務めた稲葉篤紀さんがミスター赤ヘル・名球会理事長の山本浩二さん、名手・宮本慎也さんとの座談会で侍ジャパンで目指したチーム作りについて、「ジャパンに対する思いが強い選手を集めたい。良い選手を集めるのではなく、良いチームをどうやって作っていくか、そこを考えました」

また五輪前に強化試合が2試合開催されましたが、「選手の調子のいい、悪いを見極め、1週間という限られた時間の中でのチーム作りは難しく感じました。始まった頃は“手応え”よりは“手探り”」と語りました。

そして選手発表をした際は、「今まで言われたことがないぐらい、いろいろ言われた」と話した稲葉さん。ヤクルト同期入団の宮本さんからも「俺も(稲葉さんへ)どうして?」と言った一人だったと話しました。

稲葉さんが五輪の選手選考で重要視したのは“選手一人一人の役割”。通常の試合では28人の選手を選びますが、五輪は24人。限られた人数なので、『これだけしかできないよりは、これもできる』選手を探し、『この打順も打てる』選手、『この出番で投げられる』投手を組み合わせた選手たちだったことを明かされました。

また、いろいろできる選手たちだから、この侍ジャパンではキャプテンを置かなかったと説明しました。

また、実力のある選手たちがどうゲームに気持ちよく入っていけるのか、どういう声の掛け方をすれば、選手がすっと試合に入っていけるのかを考え、選手らが集まる機会・場所が少ないからこそ、試合前に全員を集めてみんなの前でスタメン発表をし、そして試合前に必ずかけていた言葉は今日も「頑張ろう」「悔いの無いように今日も頑張ろう」と「それしか言えなくて」と謙遜されました。

WBCで監督経験のある山本浩二さんは、「プレッシャーがあることはよくわかっているし、その中で絶対に勝たないといけない、本当に大変だったと思う」

ヤクルト同期入団の宮本慎也さんは、テレビ・ラジオの解説で全試合見ていたが「(同期の)稲葉が叩かれる姿は見たくなかったので、金メダル獲得でほっとしている」と稲葉さんをねぎらいました。

稲葉さんは二人の言葉に「日本開催の注目度も高く、プレッシャーも強かった」大会終了から4か月たったが、「今でもほっとしている」と語りました。

番組内では、日本ハム稲葉GMとして、BIGBOSS新庄監督の誕生を聞かされていなかったことも明かされました。

山本浩二さん、宮本慎也さんは、稲葉GMと新庄監督が札幌ドームの広さに対応し、どういった野球を選手と見せてくれるのか、また名球会会員であり、中日ドラゴンズの立浪和義新監督については、WBCで山本浩二監督のもとコーチを経験され、「いつかユニフォームを着て指導者になる人だから、やっと着てくれた」と期待を寄せ、2022年のプロ野球シーズンが楽しみと話しました。

これは、BS日テレにおいて2022年1月3日に放送した『日本プロ野球名球会2022』内にて、名球会山本浩二理事長、侍ジャパンを率いた稲葉篤紀元監督、名手宮本慎也さんの座談会で話されたものです。

この3人は、投手は200勝もしくは250セーブ、打者は2000安打の大記録を達成した者などが入会を許される日本プロ野球名球会会員で、名球会は「社会の恵まれない人達への還元とプロ野球の底辺拡大」を掲げ、野球教室の開催などに積極的に取り組んでいます。