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高校サッカー 福島と尚志高校の関わり

2022年1月1日 17:42
高校サッカー 福島と尚志高校の関わり

熱戦が続く全国高校サッカー選手権大会はいよいよ2日から3回戦が始まります。

超高校級DFチェイス・アンリ選手を擁し、優勝候補にも挙げられていた福島の尚志高校。2回戦でPK戦の末に関東第一高校に惜しくも敗れました。悲願の全国制覇はかないませんでしたが、高校サッカーを通じた地元とのつながりがありました。

日本テレビの川畑一志アナウンサーがこれまでの取材で感じた地域との高校サッカーのつながりを紹介します。

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全国高校サッカー選手権大会に出場するのは、各都道府県を代表する48校。地元と深い関わりを持つチームが少なくないのも、大きな特徴の1つと言えます。

今回、紹介するのは福島県代表・尚志高校(郡山市)です。

2011年度に行われた第90回全国高校サッカー選手権大会では、震災があり、原発事故に苦しむ「地元に元気」をという合言葉のもと、福島県勢初の準決勝進出を果たしました。国立競技場でプレーする尚志高校の姿はメディアでも大きく取り上げられ、被災地の方々に大きな勇気を与えました。

ですが、尚志高校と福島の関わりは、これだけではありません。震災後の数年間、「子どもを屋外で安心して遊ばせられる場所がない」という地元の声を聞いていた尚志高校サッカー部・仲村浩二監督は、「自らも子を持つ親」として、ある行動に出ます。

2012年に人工芝を敷いた尚志高校のグラウンドを、地域の子供達に開放したのです。

「サッカーはしなくてもいい。とにかく外で思い切り遊んでもらえたらと思いました」と仲村監督の思い描いたとおり、大勢の子供たちが芝に寝転び、元気に走り回って遊んだと言います。

また、当時を振り返り「人工芝で遊ぶ子供たちの弾けるような笑顔は、今でも目に焼き付いています。そして、その子たちが成長して尚志高校に来てくれることは幸せです」と話します。

この取り組みは形を変えながら継続され、現在も尚志高校の人工芝グラウンドでは、大勢の子供たちが元気に走り回る姿があります。

その活動を通して彼らと触れ合う選手たちにとって、子供たちの笑顔やその親からの応援が、全国で戦う原動力のひとつになっていることは、想像に難くありません。

このように、各都道府県代表が地元にどんな思いを持ち、どう関わってきたのかについても取材をして中継しています。ご覧になる際は、そちらにも注目していただけたら幸いです。