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100回目の選手権から未来の日本代表へ

2021年12月26日 15:18
100回目の選手権から未来の日本代表へ

1996年アトランタ五輪の「マイアミの奇跡」、98年W杯アジア最終予選の「ジョホールバルの歓喜」、そして2018年ロシアW杯の「ロストフの悲劇」。

日本サッカー界における重要な局面には、必ず高校サッカー出身者がいました。前園真聖(鹿児島実業)、中田英寿(韮崎)、大迫勇也(鹿児島城西)。

「全国高校サッカー選手権大会」

104年の時を越え、この大会が記念すべき100回目を迎えようとしています。

今大会の応援リーダーは、東京五輪という大舞台を経験した4選手が務め、その中の一人が上田綺世選手(鹿島アントラーズ)です。上田選手は鹿島学園時代、第95回大会に出場。当時、茨城県大会決勝と全国1回戦で、鹿島学園の試合実況を担当したのが、私、山崎誠(日本テレビアナウンサー)です。

上田選手は高校3年生の時に、茨城県内のリーグで33得点。これが県の歴代最多得点となり、2位の21点と比べると、当時から異次元の得点力であったことがわかります。

その得点力の裏で、「入学当初はカテゴリーが下のチームにいて、トップチームに絡めるようになったのは2年生から。出られない選手の気持ちも知っている分、その気持ちを乗せて勝つ。情けない試合は出来ない」と仲間への思いを語っていました。

多いところでは、部員数200を超えるサッカー部。毎日のように練習を共にし、深まる絆。小さい頃から同じチームで育ってきた選手、寮生活を送る選手は、それ以上の時間を共に過ごします。

互いに切磋琢磨しながら、こうした経験を積み、選手としてだけでなく、人間性の部分でも成長を遂げていく高校生たち。

そして、その先にある“日の丸”。

FC東京に内定している松木玖生選手(青森山田高校)をはじめ、今大会の出場校だけでも、20名近くのJクラブ内定選手がいます。さらに、大学などを出てからクラブに加わる選手も数えれば、より多くの選手がこの大会から羽ばたいていくことになります。

日本一、そして世界を目指す選手が必ず通るといっても過言ではない決戦の舞台、“高校サッカー”。

青春をサッカーに捧げる高校生のひたむきな姿、そして、未来の代表選手たちの戦いから、目が離せません。

高校サッカー100回大会は、新しくなった国立競技場で12月28日に開幕します。

この大会を見れば、いつか「この選手、高校時代から注目していたんだよ」そう言える日が来るかもしれません。

取材:山崎誠(日本テレビアナウンサー)