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タッチにキン肉マン 人気漫画と江川卓

2021年12月26日 12:09
タッチにキン肉マン 人気漫画と江川卓

高校時代から数々の伝説を残した昭和の怪物・江川卓さん。そんな江川さんには、ある人気漫画との意外な関係があることを25日の「Going!Sports&News」で明かされました。

番組内で「高校時代一番印象に残っている試合は?」という質問に、「夏の甲子園で負けた銚子商業に延長12回で負けた、その最後のボールが自分では一番好き」と話した江川さん。

それは48年前の夏の甲子園。江川さんの作新学院は0対0で迎えた延長12回ウラ、1アウト満塁のピンチ。その時投げた最後の1球が、高めに外れ押し出しでサヨナラ負け。江川さんの最後の夏は終わりましたが、「このボールが1番速くて素晴らしかったと今でも思っています」と振り返りました。

実はこのシーンは人気野球漫画の「タッチ」の中によく似た場面があります。それは主人公・上杉達也が挑んだ夏の甲子園予選、強豪・勢南高校との一戦。両チーム無得点で迎えた延長11回、2アウト満塁のピンチ、フルカウントから投げたピッチャー・上杉が投げたボールは高めに外れ押し出し、上杉の明青学園は敗れました。まさに江川さんの最後の夏を彷彿させる名シーンでした。

さらに、江川さんと深い関係がある人気漫画を番組内で紹介。それは1979年の連載開始から今も連載中の人気漫画「キン肉マン」。その共通点をキン肉マンの生みの親、ゆでたまごの嶋田隆司さんに聞きました。

キン肉マンの名前は江川さんと同じ「スグル」。一体なぜ「スグル」と名付けられたのか尋ねると「キン肉マンは自分ではスーパーヒーローと名乗っているけど、どちらかというと(漫画内の)みんなからは嫌がられる存在のキャラクター。名前を考えていたとき、毎日のようにワイドショーをにぎわせ、世の中から嫌われていた江川さんを見て、キン肉マンをキン肉スグルにした」と当時巨人入団を巡り世間を騒がせていた江川さんを見て名付けたといいます。

江川さんに全く許可を取っていなかったという嶋田さんは37年前、キン肉マンの映画の舞台挨拶に江川さんがゲスト出演したときも「江川さんに挨拶しないといけないのに、絶対、江川さんに殴られるなと思って。結局僕、江川さんと会ったことがない」と挨拶をためらったといいます。それでも娘さんと一緒に試写会を見ていた江川さんを見て、「江川さん、結構キン肉マン好きでホっとしました」と語りました。

シーズン20勝をマークするなど、巨人のエースとして日本一にも輝いた江川さん。一方、キン肉マンもダメ超人と言われながらも超人オリンピックで2連覇を達成。

「子供たちがキン肉マンをかっこいいって言うようになった。2人は嫌われ者だったのに世間に受け入れられた。スグルにしてよかった」と逆境にも負けずスーパーヒーローへと駆け上がった2人のスグルの活躍を喜びました。