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落合啓士引退試合“見えないことが幸せ”

2021年12月25日 18:59
落合啓士引退試合“見えないことが幸せ”

24日、ブラインドサッカー元日本代表・落合啓士さん(44)が横浜武道館で引退試合を行いました。

落合さんは徐々に視力が落ちる「網膜色素変性症」にかかり18歳で視覚障害者になり、25歳でブラインドサッカーと出会い、2003年に初めて日本代表へ選出されました。

14年にわたって日本代表で活躍し、2020年3月に現役を引退しました。引退後は日本初の全盲監督として松本山雅B.F.C.で指揮を執るなど幅広い分野で活躍しています。

今回の引退試合はクラウドファンディングによって実施され、目標金額は300万円でしたがそれを上回る約370万円の資金が集まりました。

ブラインドサッカー選手の引退試合開催は、初の試みとなり、元サッカー日本代表の北澤豪さんや石川直宏さん、さらに東京パラリンピックブラインドサッカー日本代表の川村怜選手らが参加しました。

落合さんは積極的にシュートを放つなどフル出場を果たし、笑顔で現役生活に別れを告げました。

試合後、落合さんは「一緒にやってくれた仲間が本当にかけがえのない仲間たち。真剣にやりつつも笑いながらやれて、普段公式戦では味わえない温かい試合ができてうれしかった」と振り返りました。

またブラインドサッカーは「人生のすべて」と話し「このサッカーに出会って性格が180度変わって、それこそ見えないことが幸せだと思えるぐらいまでなれた」と話しました。

今後について落合さんは「視覚障害者が夢を諦めない、見えないから諦めちゃう子供がやっぱりまだまだ多い。だから見えなくても努力と工夫と協力で何だってできるというところをまず見せて、スクールなどで障害を抱えた子供たちに伝えていきたい。残りの人生全てを注いでやりたいことです」と力強く語りました。