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「生涯未婚率」右肩上がりと地域差のナゼ

2021年12月15日 8:39
「生涯未婚率」右肩上がりと地域差のナゼ

「生涯未婚率」の都道府県別ランキングが公表されました。男性はトップ3を東北地方が占めましたが、女性は大都市を抱える都府を抑えて高知県が1位でした。未婚率は上昇の一途で、結婚を望む人にもハードルがあるといいます。背景を独身研究家に聞きました。


■「生涯未婚率」女性の上位は?

有働由美子キャスター
「一度も結婚したことのない方の率を示す『生涯未婚率』。東洋経済オンラインで独身研究家の荒川和久さんが発表した、都道府県別のトップ10のランキングを見てみます」

「男性は岩手・青森・秋田と東北勢がトップ3に入りました。一方、女性は5位から上を確認すると京都・大阪・北海道・東京と来て、1位は高知県でした。なぜこのような結果になっているのでしょうか」


■「価値観」に変化 「ハードル」も

小野高弘・日本テレビ解説委員
「男女それぞれの生涯未婚率の推移のグラフを見ると、全体的に右肩上がりになっていて、去年は過去最高を更新しています」

「去年の国勢調査をもとに、50歳時点で未婚の方の率を出したものですが、なぜここまで高まっているのでしょうか。この調査をした荒川さんに聞くと、理由の1つとして挙げたのは価値観の変化です。そもそも、結婚に必要性を感じていない方が増えたとみています」

有働キャスター
「完全に私個人の思いですが、10年ほど前までは結婚しなきゃと思っていたのですが、時代と、加えてキャリアを積んできたこともあるのでしょうが、今は積極的に結婚する理由がむしろ分からなくなっています。ですので、この考えは分かります」

小野委員
「一方で、結婚したいと思う方にもハードルがあり、それは収入だといいます。国税庁がまとめた民間の平均給与の推移によると、この30年はあまり上がっていません」

「特に若い世代が家庭を持ち、子育てをするにあたって、『収入が上がらないと結婚は考えられない』と諦めざるを得ない人が多いのでは、と荒川さんは分析しています」


■ランキング「地域差」の背景は?

有働キャスター
「地域差はどう考えたらよいのでしょうか?」

小野委員
「特に地方では、若い世代が大都市圏へと流出することが多く、これが未婚率を上げているとみています」

有働キャスター
「確かに男性のトップ3はいずれも東北地方です。ただ、女性の2位は東京です。この理由は何でしょうか?」

小野委員
「大都市では経済的に自立できている女性も多く、結果的に未婚率が高まるとみられています」

有働キャスター
「女性の1位は高知県です」

小野委員
「高知県に聞きました。未婚率は以前から高かったそうですが、明確な理由は解明できていないそうです」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「未婚率が上がることは先進国であれば、ある程度は仕方ないと思います」

「その上で、少子高齢化や人口減少は、どうすれば『問題じゃない』と考えられるかが、これから大切ではないでしょうか。そこにおける新しい成長とは何かを考えることが重要だと思います。国や自治体が『結婚しろ』と言うのも、今や昭和の価値観だなと思います」

有働キャスター
「落合さんが結婚した理由は?」

落合さん
「結婚してみないと結婚のことは分からないので。結婚は制度ですが、活用してみないと分からないと思っています。アンド愛」

有働キャスター
「もちろん結婚する、しないは完全に個人の自由ですが、『結婚したいけれどできない』という問題はずっとあるので、政治と社会と、両方からサポートしていかないといけないのかもしれません」

(12月14日『news zero』より)