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オミクロン株 国内“2例目”今後流行は?

2021年12月1日 19:29
オミクロン株 国内“2例目”今後流行は?

1日、日本で2例目となる新型コロナウイルスのオミクロン株の感染者が確認されました。先月30日、初確認された感染者の情報を含めて、詳しく解説します。

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■“2例目”確認 ナミビア男性の入国ルートは徐々に判明

日本で2例目となるオミクロン株の感染者は、ペルーに滞在歴のある20代の男性です。先月27日に成田空港に到着し、入国時の検査で陽性が確認されました。1日時点では、医療機関で隔離されているということです。入国が27日でしたので、最初に感染が確認されたナミビアの男性よりも前だったことになります。

最初の感染者であるナミビアの男性についても、詳しい状況が分かってきました。

感染が分かったのはナミビア滞在歴のある30代の男性で、ナミビア政府の外交官だと発表されました。ことし7月にモデルナ製のワクチンの2回接種を完了していました。

3日前の28日、成田空港に到着したときに新型コロナの検査で陽性となりましたが、そのときは無症状でした。熱が出たのはその翌日で、宿泊療養施設に移動した後、発熱したそうです。

日本に入国したルートもだんだんと明らかになってきました。

この外交官は、エチオピアのアディスアベバからエチオピア航空に乗り、韓国の仁川空港経由で成田空港に入ったということが分かりました。

仁川空港ではいったん飛行機を降り、空港施設で待機していました。何人かの乗客は仁川から新たに搭乗してきて、成田に到着したとも言われています。

■政府は異例の対応 「乗客全員」を濃厚接触者に

一方、日本政府は感染を広げないため、異例の対応に出ています。

濃厚接触者について、通常、飛行機では感染が分かった男性が座っていた列を含めて、前後2列が濃厚接触の候補者とされます。

しかし、先月30日、後藤厚生労働大臣は、同じ飛行機に乗っていた乗客「70人全員」を濃厚接触者とすることを発表しました。

今回分かったのがオミクロン株ということで、例外的に強めの措置をとったということになります。

70人全員とすでに連絡はとれていて、健康観察や2日ごとの検査などを実施し、応じない場合は名前を公表するとしています。

パイロットなど乗組員は10人いたということですが、日本に入国せずそのまま別の国にいったそうです。そのため、日本が濃厚接触者としたのは、乗客70人だけにしたということです。

70人の方々は、自宅や宿泊施設にいるということです。南アフリカやナミビアなど指定国に滞在歴がない人も、最長14日間は自宅などで待機しないといけません。

先月30日時点で分かっているのは、70人のうち1人に発熱症状があったそうですが、新型コロナの検査は、今のところ陰性ということです。

こうした中、小池都知事は先月30日、新たな対応を発表しました。

この濃厚接触者70人のうち40人程度が都内在住者ということで、この人たちに都が用意した「宿泊療養施設」に入ってもらう考えを示しました。すでに10人は施設にうつったそうです。

また、1日、千葉の熊谷知事も、70人のうちおよそ10人を県が健康観察などを行う考えを示しました。さらに、今後、同居している人も含めて、宿泊療養施設に入ってもらうよう調整をすすめると発表しました。

■ヨーロッパでは早い段階に“拡大”の可能性も

オミクロン株は、世界で急速に感染が確認され、1日時点で感染が確認されたのは、21の国と地域です。

南アフリカがオミクロン株の存在をWHO(=世界保健機関)に報告したのは、先月24日でした。ちょうど一週間前の水曜日ですが、ヨーロッパでは、それよりも前に市中感染が起きていたかもしれない情報も出てきました。

イギリスの北部、スコットランドでは、これまで9人のオミクロン株への感染が確認されています。地元当局は、この9人全員について、最近の海外渡航歴がなく、先月20日に行われたイベントで集団感染した可能性があると発表しました。イギリスでは、早い段階で感染が拡大していた可能性もあるということです。

さらに、オランダでも同じような状況があります。オランダの保健当局は、先月19日と23日に保健所で採取した検体からオミクロン株を検出したと発表しました。ただし、アフリカ南部を訪れた人のものかどうかは分かっていなくて、経緯など調査を始めているということです。

日本でも、従来よりも多くの検体をゲノム解析していくことにしています。

これだけの広がり方を見ると、心配になる人もいると思います。ただ、オミクロン株は見つかったばかりで、分かってないことが多いです。

政府分科会メンバーの東北大学・押谷仁教授は、オミクロン株について「制御は難しい。ほぼ確実に次の流行を引き起こすだろう」と指摘しています。加えて、オミクロン株に限らず、大前提として「第6波は起こると思う。第5波とは様相が違い、ワクチンの効果が下がり始めている高齢者にも、一定程度感染が起こるとみられる」と話しました。

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押谷教授は、高齢者のなかでもリスクの高い人は早めに3回目接種をできるようにすべき、と政府に提言しています。1日からワクチンの3回目接種が始まりました。皆さん、それぞれの感染対策をしていきましょう。

(2021年12月1日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)