「働く女性応援」小冊子“よくばり”に批判
広島県が作った「働く女性」を応援するハンドブックが波紋を呼んでいます。
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「働く女性応援」“よくばり”と書かれた広島県のハンドブック。仕事と育児の両立を目指す女性の“心構え”として、同僚や夫などに対し「感謝と配慮を忘れずに!」などと書かれています。
さらに──。
パパ
「『私ばっかり家事と育児をしている』というけど多少は(育児を)手伝っているんだから、勘弁してほしいな…」
先輩ママ
「感謝の言葉をこまめに伝えるのは、重要ですよ」
働くママに対し、周囲への感謝や気遣いを心がけるよう細かく書かれています。
これに対し、ネット上では、「家事育児仕事の両立を『よくばり』呼ばわりしたあげく、ワーママは全方向に配慮して働けと」など、タイトルの“よくばり”などの表現に批判の声が上がっています。
地元・広島では──。
広島市民
「平等だと思ってる人は、言葉がちょっと過敏に反応するんじゃないかと思うんですけど、炎上することではないかな」
「僕も結構あれやれ、これやれっていわれて、家でぐったりという形なんで、少しでも負担を減らすように頑張らないといけないと」
「余裕がない時に(ハンドブックを)見たら、さすがに刺さるかもしれませんね。分かっとるよ!となるかも」
このようにさまざまな意見が聞かれました。
30日、広島県の湯崎知事は、「女性がそういうふうに“よくばり”なんだと、ちょっと誤解を生んでるのかなと思ってますけども。女性がうんぬんではなくて、全ての県民がどちらかを犠牲にしたり諦めることなく、希望がかなえられるようにと、そこを目指してるということであります。そこはご理解を」と釈明しました。
このように、釈明しました。
ジェンダー問題に詳しい専門家は──。
東京工業大学 治部れんげ准教授
「趣旨としては働く女性を応援するという良いこと、やるべきことをやっている冊子なんですけれども…ちゃんと感謝の気持ちを持たないと周りから実は疎まれているかもしれませんよと。実はこういったページ自体が、働く女性に対する“ある種の圧力”として働いたり、もしくはこれから働こうと思ってる方に対する、やっぱり無理かなという方向に働いてしまうかなと」
広島県は「これを機に中身を見直し改めるべきところは改める」とコメントしています。