×

アベノマスク“無駄”は?会計検査院が報告

2021年11月22日 21:45
アベノマスク“無駄”は?会計検査院が報告

会計検査院が昨年度の決算検査報告をまとめ、新型コロナウイルス対策などでの税金の無駄づかいなどを指摘し詳細を公表しました。報告には布マスク配布事業の経緯が詳しく記されています。

中島芽生キャスター「“アベノマスク”と呼ばれた事業に対する報告書で私たちが気になるポイント、『価格』と『品質』についてです。まず、価格から。去年の春、全戸に2枚ずつ配られた布マスク。支出の合計は542億円で、配送など含めてマスクにかかったお金を平均すると2枚セットでおよそ400円です」

陣内貴美子キャスター「2枚で400円。1枚あたり200円と聞くと結構高いように感じますが…」

中島キャスター「当時はマスクが手に入りにくく値段も上がっていたので、判断は難しいですよね。これだけかかった背景について、会計検査院は『入札なしの契約・言い値の値段での契約』だったことを挙げています。布マスクは、調達ができそうな会社とほぼ入札なしで契約されました。そしてそのほとんどで、事業者の見積額のまま、契約されていました。

そして、大量の在庫を抱え保管費も問題となっています。不在や配布の中断で配られなかったマスクは全体の28.7%にあたる8272万枚。在庫になっていて、保管のために昨年度末までで6億円あまりの税金が使われました。この保管料は今年度になっても膨らみ続けています。会計検査院は『売払い、譲与等も考慮にいれた対応の検討』が必要だとしています。

マスクを実際に配り始めたところ、髪の毛の混入などの不良品が出て配布が中断されました。この中断までに配ったうちの12.5%が不良品と疑われると報告されました。会計検査院は検査報告書で契約時に品質や大きさの基準を作っていなかったことを挙げています。口頭発注できちんとした詳細な基準が無く、当初は、納入されたマスクのサンプル検査すら行われていなかったということです」

藤井貴彦キャスター「そして、大きさでいうとマスクが小さいという声もありましたね」

中島キャスター「はい。大きさなどを定めた『仕様書』がなく布マスクメーカーが出したサンプルを厚労省が妥当と判断したということです。さらに、不良品が出たことで新たに検品作業などをすることになり、21億円を超える追加の費用がかかりました。こうした検査結果から会計検査院は、『緊急時であっても、品質基準を明確に定めた仕様書を作成する必要がある』『不良品が発生した場合の措置について定めるなどすべきであった』と所見で指摘しています」