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小池都知事に聞く“女性と政治”

2021年11月15日 18:07
小池都知事に聞く“女性と政治”

小池百合子東京都知事に「女性と政治」をテーマに日本テレビ小西美穂キャスターがインタビュー。なぜ日本で女性議員が少ないのか。クオータ制導入は。日本の社会に足りないものとは。女性の政治参画が進まない現状と課題をズバリ聞きました。(10月23日・東京都庁)

■女性議員を増やすには?

小池百合子東京都知事:まず候補者にならないと当選しませんよね。ですから、候補者になる、手を挙げる人がまだまだ少ないのと、より候補者を立てていこうという意思が、それぞれ政治・政党などに必要かと思います。議会の場合、意思決定をするわけですよね。もちろん男性でも、非常に女性政策に熱心な方もおられますけれども、やはり女性の声が直接、また意思決定の場に直接関わるか否かっていうのは、やはり違うと思うんですね。

例えば、各国の例を見ましたら、比例代表制とか選挙制度にもよるんですけれども。候補者は、例えばフランスなど「パリテ法」という法律に基づいて、男性と女性がセットで必ずエントリーしなくては駄目だとかですね。それから女性男性女性男性と比例代表の名前を決める場合、必ず同じ比率にしなければならないとか、結構ガチッと他の国でやってる例が多いですね。(ただし、)その制度を作るのに、また、そこに意思決定に女性がいるかいないかっていう話になるわけです。

■女性が直面するハードルは?

小池都知事:なかなか国立大学とかそういうところには、女性の学長も日本はいないですよね。これまで、アメリカなどでもハーバードとか、イギリスで言えばオックスフォードとかケンブリッジとか、そういった名だたるようなところでも、女性の学長がこれまでも出てきているんですね。だから育児、子育てをやっている間に、そこのレースから落ちてしまうというかな。そういうことも、イコールに見てあげる必要があるんじゃないかと思いますね。

同じ能力を持ってる人ならば、女性をより多く政治面でも経済面でも反映していくことが、今の日本のさまざまな課題を改善させる非常にいい方法ではないかと思います。

■どう見た?自民党総裁選の女性2候補

小西美穂(日本テレビ解説委員・「news every.」キャスター):小池さんは今まで、女性初の防衛大臣や初の自民党の党三役、そして総裁選の立候補もされ、“女性初”を数多く経験されてきました。これを乗り越えたからトップに就いた、というようなことがあれば、教えていただけないでしょうか。

小池都知事:いや、まだまだ私自身非力なんですが、でも大臣とかですね、それから党三役は選ぶ人がいるから、私が選んでいただいたわけですね。選ぶ側に行かなければ、そういうこともまずできないわけですよね。今回、自民党の総裁選見ましてもね、女性2人が手を挙げて、ちゃんと状況が整って出られましたし、他の党でも、それぞれ女性活躍されておられると思います。ですから、いずれにしても、やっぱり決める場にいることっていうのは、何かと重要だと思います。

■日本の社会に足りないモノ

小西:女性が政治リーダーになると、変化が表れるんでしょうか?
小池都知事:これだけ成熟した日本です。それぞれ高齢化と少子化と、この両方に直面しているのが女性ですよね。ですから、そういった声をですね、よりくみ上げて、そして政策に生かしていくということがないとですね、この日本みんながくたびれてしまう。

小西:(自民党総裁選の際に)「日本はタリバンがいないのに、なんでこんなに女性活躍が遅れてるの、不思議なくらい」と表現されたんですが、そこに込めた意味はありますか。

小池都知事:いろんな会合など出ましてもね、ほとんど男性ですよね。組織の中でもやはり、いろんな声があって、いろんな考えがあって、多様だからこそ、よりなんていうんでしょうか、力になると。日本の強さっていうのは、むしろみんなで一つになって、それで進んできたと。突き進んだというのは、高度成長期などには有効だったというふうに思います。ですから社会の組み立て方、設計図がですね、偏っていると、これからのいろんな柔軟性がないと国際競争力が落ちていく。

小西:日本はもったいないことになっているんでしょうか?

小池都知事:それに気がついてないことが、もともともったいないと思います。制度的な面もあるでしょうし、意識的な部分もあるでしょうし。今もうF1。F1も古いんでしょうかね。ものすごいスピードで世の中変わってきているわけですね。そこを変えないっていうのも、一つのポリシーかもしれませんけども、取り残されてしまってもいけないなというふうに思います。改めて日本自体を客観視して、そこに足りないものは何か、その中の一つが女性の力を生かしきれてないことだと思います。

(取材:10月23日/東京都庁)