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女性議員増へ法制化は? 当選者の意識

2021年11月11日 19:37
女性議員増へ法制化は? 当選者の意識

先の衆議院選挙を受け女性議員は9.7%となり、公示前の比率を下回りました。女性議員を増やすため「候補者男女均等法」が施行されましたが、さらなる法制化について、当選者は候補者よりも消極的であることがアンケートの分析から明らかになりました。


■「賛成」の回答、当選者は候補者より11.5ポイント減

女性の政治参画をめぐっては、2018年に、国会や地方議会の選挙で男女の候補者数をできる限り均等にするよう政党に求める「候補者男女均等法」が成立しました。先の衆院選は、この法律が成立してから初めて迎える衆院選でした。しかし、女性候補者比率は前回衆院選と横ばいで、罰則規定がなく努力目標にすぎない法律の限界が浮き彫りになった形といえます。

日本テレビがJX通信社の協力のもと行った候補者へのアンケートでは、「選挙で政党の女性候補者の割合を一定以上にするよう法律で定めること」について質問していました。

「賛成」は28.9%で、「どちらかといえば賛成」が22.5%となりました。「どちらかといえば」も含めて「賛成」は半数を超える51.4%でした。

このうち、今回当選した人の回答を抜き出し、候補者と比較分析してみました。すると、「賛成」が15.5%で候補者よりも14.4ポイント後退し、「どちらかといえば」も含めて「賛成」と答えたのは39.9%となりました。

当選者は候補者よりも「賛成」が11.5ポイント減少していました。

「反対」についても比較しました。「反対」は「どちらかといえば」も含めて、候補者が23.0%だったのに対し、当選者は6.4ポイント増え、29.4%となりました。


■どうなる「2025年までに35%」目標

選挙を経て、衆議院の女性議員は45人、全体の9.7%となりました。4年前の衆院選の女性当選者割合は10.1%で後退した形です。

先の選挙は、政党に候補者を男女均等にする努力を求める「候補者男女均等法」成立後初めての衆院選でしたが、自民公明の与党の女性候補者比率はいずれも10%に届かず、ジェンダー平等や選択的夫婦別姓を支持する立憲民主党でも約20%に留まりました。

内閣府は2025年までに国政選挙における女性候補者の割合を35%にする数値目標を掲げています。この目標に向けて、どのような議論を進めていくのか注目されます。


画像:zero選挙「候補者アンケート」より