×

“接種証明”で欧州などから入国可能に 米

2021年11月9日 21:39

11歳以下の子供へのワクチン接種が始まっているアメリカでは、普及を加速させる取り組みが進められています。ニューヨークでは、接種するとおよそ1万円のギフトカードが受け取れる特典も登場しています。

   ◇

記者(アメリカ・ニューヨーク 8日)
「小学校の中に設けられた臨時の接種会場では、保護者に付き添われながら、子供たちがワクチン接種を受けています」

ワクチン接種を受け、声がかき消されるほどの盛大な拍手に、思わず拳を突き上げた子供。アメリカ・ニューヨークでは、全ての公立小学校に接種会場を順次設置し、8日から接種がスタートしました。

接種を終えた子供
「私、とっても勇敢だったよ!」

こうした市営の会場で接種した子供には、日本円でおよそ1万1000円分のギフトカードが贈呈されます。接種率が停滞する中、子供への接種促進を図る考えです。

また、8日には、一定の条件を満たせば、これまで禁じられていたヨーロッパ諸国や中国からの入国が可能になりました。

記者(アメリカ・ロサンゼルス 8日)
「ロサンゼルスの空港です。外国から入国する人たちが、今、続々と到着してきています」

仲間との再会に 涙を流して喜ぶ人々。しかし、こんな声も…

メキシコから来た人
「パンデミックの以前と比べて、明らかに旅行しづらい」

アメリカへの入国には、これまでの陰性証明に加え、ワクチン接種証明の提示も義務づけられる事になったのです。

日本からの留学生
「ワクチン接種証明がないと入れない店があったり、ルールの違いがけっこうあるのかなと」

ロサンゼルスでは、8日から映画館や美容室の利用にも、接種証明の提示が義務づけられました。

違反した場合、店に罰金が科されるなど、アメリカメディアは「全米で最も厳しいルール」だと伝えています。

一方、お祝いムード一色だったのはイギリスの空港です。8日、早速、アメリカ便に乗る人がいました。

アメリカに行く親子
「私のおいっ子、母にとっての初孫に初めて会いに行くの」

便の予約にも大きな変化がありました。

ヴァージン・アトランティック航空CEO
「バイデン政権がアメリカ国境を開放すると発表したとき、(予約数が)600%増加しました」

また、メキシコでは、アメリカに向かう陸路の通行が再開されました。車の渋滞も起きましたが、一部で、入国ができなかった人もいました。

入国できなかった人
「中国のワクチンを接種したが、通れなかった。信じられない」

入国が認められるのは、アメリカ当局か、WHO(=世界保健機関)が承認したワクチンを接種した人に限られます。

   ◇

一方で、ヨーロッパを中心とした感染の再拡大が懸念されています。ワクチン接種率が7割に満たないドイツでは、直近7日間の感染者数が過去最多を記録しています。

■オーストリア

街中を歩く人もまばらなオーストリア。どのカフェをのぞいても、客の姿はほぼありません。11月に入り、オーストリアでは、新規感染者が過去最多になっています。(感染者 89万2065人 死者 1万1515人 米・ジョンズホプキンス大 9日午後5時時点)

8日から、ワクチン接種を完了していない人は、レストランなどの利用が禁止されているのです。

レストランの店主
「このルールはすばらしいと思います。お客さまも私たちも安全ですし、閉店の必要もありません」

ロイター通信によりますと、オーストリアの接種率は西ヨーロッパで最も低く、およそ63%となっています。

■ロシア

過去最悪ペースで感染が急拡大しているロシア。(感染者 887万3655人 死者 24万9215人 露コロナウイルス対策本部 9日発表)

モスクワ市では、7日、部分的に行われていたロックダウン、「非労働日」が終了しました。

土産物店も、12日ぶりに店内の営業を再開。人気のプーチン大統領や安倍元首相のマトリョーシカなどが並びました。

土産物店 店主
「お店を開ける事ができてうれしいです。(非労働日は)人との接触が最小限になるので、効果的だったと思います」

しかし、市民からは、こんな意見も…

モスクワ市民
「(非労働日に)どれほどの効果があったのかは疑問です。みんな外出して、公園を散歩したり、キスをしたり、会話したりしていました」

モスクワ市の一部の自治体では、「非労働日」が延長されています。

   ◇

世界で再び広がりはじめている感染。感染者の累計は2億5000万人を超えています。(感染者 2億5038万3755人 死者 505万6189人 米・ジョンズホプキンス大 9日午後5時時点)