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被爆建物「旧陸軍被服支廠」の調査を公開

2021年11月9日 21:22
被爆建物「旧陸軍被服支廠」の調査を公開

広島市に残る被爆建物「旧陸軍被服支廠」4棟のうち、1棟を所有する国は、9月から実施している建物の強度などの調査を、報道関係者に公開しました。

「被服支廠」は、爆心地から2.7キロの地点にある、最大級の被爆建物です。現存する4棟のうち1棟を所有する国は、9月末から建物の劣化や耐震性を調査しています。公開された9日は、壁からレンガを切り出した部分に圧力をかけ、耐久性などを測定しました。

中国財務局・鶴永勇次担当課長「レンガのつなぎ目の強度が強いほど、地震等の耐久力が強くなるので、どれくらいの強度があるかを測定」

国は、この調査に1700万円余りをかけて、来年3月末まで実施します。そして結果を踏まえ、安全対策の内容や施工時期を検討するとしています。

一方、広島県は去年までに所有する3棟の耐震性などを調査。耐震化することを決めています。さらに10月からは、「重要文化財」の指定に向け、建物の歴史を記した資料などを探す作業に取り掛かっています。

これに対して国は保存や活用方法について、広島県や広島市などと協議する考えです。

鶴永勇次担当課長「国の1棟ということではなくて、県所有の建物と合わせて4棟で、どういう風に利活用していくか、取り扱いについて検討したい」

今後、国も「重要文化財」の指定に向けた調査を始める方針です。