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2児の母・佐藤希望(35)全日本V7

2021年11月6日 19:08
2児の母・佐藤希望(35)全日本V7

◇全日本フェンシング選手権決勝戦(6日、東京・六本木ヒルズアリーナ)

2年ぶりに有観客で行われた決勝戦は、大会史上初、屋外会場を舞台に行われました。

女子エペ決勝に登場したのは、東京五輪代表の佐藤希望選手(35)。佐藤選手は東京大会でオリンピック3大会連続出場。全日本選手権はこれまで6回の優勝を経験しています。

2児の母でもある佐藤選手。2人の息子、匠くん(8)と旬くん(4)も、お母さんを応援しようと会場に駆けつけました。

決勝の相手は公式戦初対戦となる2019年の全日本女王、原田紗希選手(21)。お互い身長は170センチを超え、長いリーチを生かした攻撃を武器とします。

第1ピリオド、佐藤選手は原田選手の小手を狙った攻撃に苦しみ、1-3とリードされます。しかし「冷静に、相手が何を狙ってくるかちゃんと分析しながらできた」と、第2ピリオドでは得意の「足つき」や低い姿勢からのアタックなど、5連続ポイントで6-4と逆転。その後もリードを守った佐藤選手が15-8で、女子エペ史上最多7回目の日本一に輝きました。

試合後、佐藤選手は「子供の前で優勝することができてほっとしている。(子供たちが)歩き回ったりしていないか心配だったので、ちゃんと座って応援出来てて良かった」と、お母さんの顔で喜びを語った佐藤選手。

実は試合当日の朝、兄弟ケンカに手を焼いたと言います。「どっちが先にメダルをかけてもらうかのじゃんけんを、会場に来る車の中で、ずっとケンカしながらやってました。(じゃんけんは)匠が勝って、旬がすねて車の中でめっちゃ泣いてました」と、明かした佐藤選手。それでもメダルをかけてあげると「大きい!重たーい!」と、2人で喜んでいたそう。

今後については「ここを引退試合にするつもりはなく、私が今回優勝したわけですし、若い選手を育てないといけない責任もある。練習相手にもなりつつ、試合になれば負けないぞみたいな感じです」と、“お母さん”と“選手”を両立していくことを宣言しました。

写真:日本フェンシング協会 / 竹見脩吾