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「COP26」まもなく開幕 最大の焦点は

2021年10月31日 18:45

気候変動問題を話し合う国連の会議「COP26」がまもなくイギリス北部のグラスゴーで開幕します。今回の焦点について、山田智也山田記者のリポートです。

温暖化を防ぐための「最後のチャンス」とも言われ、世界が注目するCOP26は私の後ろに見える会場で開かれます。

今回のCOPには197の国や地域などが参加し、各国首脳も続々と現地入りして国の気候変動対策についてスピーチを行う予定です。

首脳級がCOPに集まるのは、現在の温暖化対策の枠組みである「パリ協定」が採択された2015年以来となります。最大の焦点は温室効果ガスの削減目標を引き上げることで合意できるかどうかです。

世界の気温上昇を産業革命前と比べ1.5℃程度に抑えるためには、2030年までに排出量を半減させる必要がありますが、今の各国の目標では排出量を減らすどころか10年前より増えてしまうとの試算も出ています。

このため議長国イギリスは各国に、より意欲的な削減目標の引き上げを求め、石炭使用の制限や電気自動車普及の加速など踏み込んだ提案もする見通しです。

ただ、どの程度の目標なら受け入れられるかは各国隔たりがあり、特に途上国の理解を得るためには、先進国側が十分な支援計画を示す必要があります。

また、世界最大の二酸化炭素排出国である中国は、削減計画の前倒しに慎重な姿勢を崩していません。習近平国家主席のほか、ロシアのプーチン大統領も欠席する見通しで、足並みが揃うかは不透明です。

13日間にわたるCOPの中では大規模なデモも予定されていて、環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんも30日夜、電車でグラスゴーに到着しました。

今回のCOPでは削減目標の引き上げだけでなく、それをどう実行していくか具体的な道筋も示す必要があります。各国の経済に直結する妥協の難しい問題だけに、合意に向けた交渉は厳しいものとなりそうです。