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軽石が鹿児島の離島に…出港見合わせる船も

2021年10月29日 19:29
軽石が鹿児島の離島に…出港見合わせる船も

小笠原諸島の海底火山から噴き出した軽石が漂着している沖縄県で29日、撤去作業が始まりました。また、軽石は鹿児島県の離島にも漂着していて、船が出港を見合わせるなど影響が出ています。




大量の軽石が押し寄せている鹿児島県の奄美大島。

名瀬漁協・酒井裕さん「細かい軽石がかなり流れてきてます。きょうも流れてきてます」

名瀬漁協によりますと、今週はじめごろから流れ着き始めたという軽石。

海の中にカメラが入ると、軽石が無数に漂う様子が。

名瀬漁協・酒井裕さん「きのう帰港した船が異物が詰まって水が吸い込めなくなって」

漁船の底にある穴に軽石が詰まる事態も発生。出港を見合わせる船も出始めているといいます。

奄美大島の南西にある鹿児島・沖永良部島では、砂浜に打ち上げられた軽石が。

撮影者「ザラザラしていて細かくてすごく軽い」

一方、沖縄県の北部、国頭村の辺土名漁港では、セメントを流し込んだかのように海面が灰色になっています。

沖縄県は、漁港の災害復旧に関する国の補助金の活用を見込み、29日から辺土名漁港で軽石の撤去作業に着手しました。

沖縄県の担当者「軽石が漂着して2週間ほど船が出られない状況。(港を)閉めきって(軽石が)入ってこないようすくい取るしかない」

県は、辺土名漁港での撤去作業を数週間で終え、その後、同じ国頭村にある安田漁港の軽石撤去に取りかかる方針です。

また、南城市の安座真港と離島の久高島を結ぶフェリーと高速船は、28日午後、一部の便が欠航し、29日は全便が欠航しました。

運航会社によりますと、船のエンジンに軽石が吸い込まれるリスクが高いためで、30日以降も定期船の運航のめどは立っていないということです。

市は28日午前、長期の欠航に備えて、非常食1600食を島へ運搬しています。

政府は、28日と29日、関係省庁による対策会議を開催しました。

松野官房長官は、軽石の回収や漁業被害への支援など迅速に対応するよう指示しました。

また、磯崎官房副長官は今後、軽石が北の方にも漂着する可能性を指摘しました。海岸沿いの全県に対して、注意喚起を行ったということです。