コロナ禍で好調 広がりみせるチルド食品
低温冷蔵で保存するチルド食品が注目されています。商品の鮮度や食感が保ちやすくなるということで、肉やデザートなどに広がりをみせています。コロナ禍に売り上げを伸ばしている背景とは?
◇
熱々の鉄鍋に野菜をのせて、そこにラム肉を投入。うま味がぎゅっと詰まったジューシーなラム肉、そのうま味を実現しているのが“チルド”です。
ジンギスカン らむすけ 柳佳文社長
「チルド状になっていまして、それを真空状態にしてある。だいたい0℃から2℃くらい」
オープン当初から“チルド”の状態で保存することにこだわっているこのお店。チルドにすることで、肉からでるドリップが少なくなり、うま味を逃がさないようにしていました。
ジンギスカン らむすけ 柳佳文社長
「お客さんに召し上がっていただくときに、(チルド保存だと)お肉のジューシーさ、食感とうま味が全然違う別物なので」
一般的に“チルド”とは、冷蔵の温度帯の中でも狭い範囲となる「-5℃~+5℃」のこと。そのため、肉や食品などの鮮度や食感が保ちやすくなるといいます。
◇
デビューから38年、ロングセラーブランドの、あの「チョコパイ」も…
ロッテ・新領域開発部 米岡孝輔課長
「ロッテとして初めてチルドデザートを(11月1日)発売します。その名も『生 チョコパイ』」
最大の特徴は、やわらかいケーキに挟まった分厚いクリームです。通常の「チョコパイ」と比べ3倍以上のクリームが詰まっています。
10℃以下で保存した「生 チョコパイ」のお味は?
記者
「冷たいので外のチョコはパリッとしているのですが、中のクリームはふんわりしています」
コロナ禍の今、チルド市場に注目した訳は…
ロッテ・新領域開発部 米岡孝輔課長
「今、どうしても家にいる時間が多いというようなことがありますので、いつでもお昼休みだろうが、おやつの時間だろうが食べられる。在宅ワーカーに注目した商品になっています」
在宅勤務中に、冷蔵庫からすぐに取り出して食べられる「チルドスイーツ」はさらに需要が伸びると期待していました。
◇
コロナ禍で“チルドスイーツ”の売り上げを伸ばしているのがコンビニです。
ローソン・広報部 塚田賢太郎さん
「こちらの商品が新しく発売された商品になります。新型コロナウイルス感染症の影響をうけて、なじみのある商品だったり、わかりやすいような商品のニーズが高まっておりまして」
“不安を抱えるコロナ禍では安心感がほしい”。そこで今、スイーツ選びで最も重視されているのが、「おいしいと知っているもの」といいます。
その一方で、「新商品」も人気というアンケート結果もあります。
■コロナ禍で重視するスイーツ選びの基準(モンテール調べ)
1位「おいしいと知っているもの」46.1%
2位「価格の安いもの」 27.7%
3位「新商品のもの」 13.6%
ローソンでも、“なじみ”がありながらも、“新しさ”を加えたチルドスイーツを発売。
「生ガトーショコラ」は、生地とクリームが一体化しているため、ワンハンドで食べられます。
「スモアみたいなシュークリーム」は、くちどけのいい新食感にこだわっていて、中にはマシュマロクリームが入っています。
記者
「もちっとした生地をかむと、口溶けのいいチョコクリームと、しゅわしゅわとしたマシュマロクリームが混ざり合って、新鮮な食感です」
ローソンでは、“チルドスイーツ”の売り上げがコロナ前と比べおよそ15%伸びているということです。
◇
即席カップ麺などが人気の「東洋水産」からも、チルドのラーメンが登場しました。
まだ旅行を控える人も多い中、ご当地の味を楽しめるラーメン、「昔ながらの中華そば 焼津かつお醤油味」です。静岡の焼津かつおのうま味をきかせた醤油味で、チルド麺のため、もちっとした食感の本格的な味わいを楽しめるといいます。
東洋水産・チルド企画課 久保裕亮さん
「いま大変、チルドの生ラーメンが非常に人気でして、生ラーメンですと3割以上市場が拡大しています」
去年以降に新たに発売したチルドのラーメンなどは40品以上。今後も拡大していく予定だということです。