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激戦の東京8区 野党共闘で“大物”に挑む

2021年10月28日 18:31
激戦の東京8区 野党共闘で“大物”に挑む

衆議院選挙は3日後に迫りました。東京8区は、与野党が競り合う激戦区となっています。野党共闘で勢いづく立憲民主党の“新人”。対する自民党の“大物”は危機感を募らせています。




4つの閣僚に加え、自民党の幹事長も務めた石原伸晃候補。

10期連続当選、無敗を誇りますが。

自民党・石原伸晃候補「くどいようですが、今回は厳しい戦いです。今回は石原は危ない、大変なんだ、お力をお貸しください」

他の選挙区への応援に出ず、地元で懸命に支持を訴えています。

石原陣営スタッフ「こんばんは。石原伸晃。きょうも1日お疲れさまです」

候補者が拡声機を使えない夜8時以降も駅前に立ち、静かにアピール。

選対幹部が、「初めて追う側になった」と漏らす今回の戦い。その理由が、立憲民主党の吉田晴美候補に吹く野党共闘の追い風です。

立憲民主党・吉田晴美候補「大きな責任を私は感じ、緊張すると同時に絶対負けられない戦いになったと思っています」

立憲民主党・枝野代表「自民党の議席を小選挙区で奪う。その目的を達成するために今日からが本番」

枝野代表が狼煙(のろし)をあげ、8区から立候補者を下ろした共産党は、電話攻勢で吉田候補を支援。

ボランティア「選挙区は吉田はるみ。それを支えていく。比例は日本共産党ということで」

党の機関紙「赤旗」におり込んでいるのも吉田候補のビラです。

スタッフ「私ははじめてです。他党の方のビラをおり込むのは」

さらに、8区からの立候補を取り下げ、比例にまわった、れいわ新選組の山本太郎代表も。

れいわ新選組・山本太郎代表「勝たせてください選挙区で、吉田はるみでございます」

立憲民主党・吉田晴美候補「ありがとうございます」

れいわ新選組・山本太郎代表「衆議院で会いましょ」

社民党も含めた野党4党は、前回の衆院選で野党で割れた票を合わせれば石原候補を上回っていたため、“勝機あり”とみているのです。

これに石原候補は。

自民党・石原伸晃候補「初日の宣伝カーの数を見ても4対1。いやーこれはえらいことになった。しかし、私はへこたれません」

選挙の構図については。

自民党・石原伸晃候補「絆のある保守中道。ここと、左翼連合との戦いであるという構図を、ぜひご理解いただきたいと思います」

27日は岸田総理も応援に。

岸田首相「石原さんは今、日本にどうしても必要な人です。何としてもこの(東京)8区、激戦を勝ち抜かせて頂きたい。みなさんに勝利を与えて頂きたい」




自民党の大物に、野党共闘で挑む新人候補。政策には大きな違いがあります。

母親の介護や自らのがん。発達障害のある娘の子育てなどを通じ、政治を志したという吉田候補は。

立憲民主党・吉田晴美候補「共に支える、苦しい時に苦しいって言える、お互いに助け合おうよって言える日本に私は変えたいのです。成長と分配どっちが先かという話もありました。私は明確に申し上げます。分配が先です」

消費税を5%にして、生活者を応援し、景気を回復させると訴えています。

自民党・石原伸晃候補「経済のパイを大きくしなくて、分配だけを行ったら国は貧しくなります。それじゃダメだ」

成長が重要だと訴える石原候補。

自民党・石原伸晃候補「(経済の)パイを大きくしなければ、皆さん方に社会的に困っている方々に対して、分配をしていく事なんかできないじゃないですか。そんな事も分からない人に私は政権を任せるわけにはいかない。杉並区を任すわけにはいかない」

一方、野党共闘に加わっていない日本維新の会から立候補しているのは、異例の経歴を持つ笠谷圭司候補。東京大学を卒業後、地方議員に。市長選に落選後、焼き芋販売など職を転々とし、ホームレスになった事もあるといいます。

日本維新の会・笠谷圭司候補「自民党のお金を中心とした業界団体との強固な癒着構造、僕はこれを外から壊したいと思っております」

一方で、野党4党の共闘については。

日本維新の会・笠谷圭司候補「気になるのが外交と安全保障。共産党と立憲民主党で考え方違いますよね。選挙が終わってから考えるというスタンスですけど、これはあまりにも不誠実な態度だと思いますね」

大激戦となっている東京8区。有権者はどんな判断を下すのでしょうか。