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衆院選公示…争点、勝敗ラインは:記者解説

2021年10月19日 17:46
衆院選公示…争点、勝敗ラインは:記者解説

第49回衆議院選挙が公示され、今月31日の投開票に向け12日間の選挙戦がスタートしました。柳沢高志記者が解説します。

──今回の選挙戦、争点はどういったものですか?

政権交代を懸けた4年ぶりとなる衆議院選挙は与野党が対決姿勢を鮮明にする激しい争いとなります。

今回の主な争点は、感染の第6波に備えた新型コロナウイルス対策や、9年近く続いた安倍・菅政権への評価です。また、経済や景気対策も大きな争点です。

岸田総理大臣は成長と分配の好循環を目指す「新しい資本主義」を掲げていますが、各党も現金給付などの分配政策や消費税減税を前面に打ち出しています。

──岸田政権になった直後、内閣支持率は上昇しましたが、選挙戦には影響があるのでしょうか。

ある自民党の若手議員は、「岸田政権になって、菅政権の時よりは、戦いやすくなった」と本音を漏らしています。

しかし、別の与党関係者は、「自民党が40議席以上減らし、単独過半数を割ることもあり得る」と危機感を強めています。その背景にあるのが、立憲民主党や共産党を中心に、野党側が200以上の小選挙区で候補者を一本化したことがあります。

4年前の衆院選は、当時、野党第一党だった民進党が、直前に立憲民主党と希望の党に分裂したこともあり、野党の票が分散して、結果的に与党が大勝しました。こうした反省から野党側は、候補者の一本化など選挙協力を強化していて、「安倍・菅政権と、これを継承する岸田政権に対し国民が審判を下す選挙」だと意気込み、政権交代を目指しています。

対する与党側としては、外交や安全保障政策をめぐる野党間の意見の隔たりに焦点を当て「野党にこの国を委ねられない」との主張を前面に出していく構えです。

──今回は政権選択選挙となるわけですが、勝敗ラインはどこになるのでしょうか。

岸田総理は自民・公明で過半数を取ることを勝敗ラインだと話しています。

今回は小選挙区と比例代表をあわせ465議席、過半数は233議席となります。自民・公明の与党は公示前、305議席ありましたので、与党あわせて過半数が目標だとすると、70議席以上を減らしても大丈夫という低いハードルです。

このため、自民党の閣僚経験者は、「自民党が単独で過半数を取れなかったら、執行部の責任を問う声が出てくるだろう」と指摘しています。