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GoToトラベル再開は?独自の県民割も

2021年10月18日 17:29
GoToトラベル再開は?独自の県民割も

新規感染者の減少傾向が続いています。それに伴い、新型コロナウイルスで落ち込んだ飲食や観光を支援する政府のGoTo事業にも、再開に向けた動きが出始めました。


■「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験…今週から飲食店でも

東京の感染状況ですが、17日、東京で新たに40人感染が確認されました。今年、最も少ない人数となりました。

緊急事態宣言の解除後も、東京では今月24日までは「リバウンド防止措置期間」です。感染対策の点検・認証を受けた飲食店では、酒類の提供を夜8時まで、営業は夜9時まで認められています。

医療提供体制も改善傾向にあり、今のような感染状況が続けば、飲食店などへの時短要請を緩和、もしくは解除する方向だということです。ただ、全面解除は慎重な意見があるため、リバウンド防止の措置や条件をつけることも検討しています。

全国的にも感染者数が落ち着きを見せる中、18日、岸田総理大臣が行動制限の緩和に向けて「今週から京都を皮切りに、ワクチン・検査パッケージの技術実証、これをスタートさせていただきます」と述べました。

「ワクチン・検査パッケージ」の実証実験は、プロスポーツの会場や旅行ツアーなどですでに始まっていますが、飲食店でも始めることになりました。
具体的には、京都・北海道・福岡で開始します。期間は、京都が今月21日から来月3日、北海道が今月22日から30日、福岡が今月25日から29日となっていて、日本料理店や居酒屋、ホテル内のレストランなどが対象です。

この実証実験では、入店時にワクチン接種証明や検査の陰性証明を確認し、5人以上の入店も可能にします。


■「GoToトラベル」はどうなる?

一方、岸田総理は週末、観光を支援する事業「GoToトラベル」についても触れています。

16日、岸田総理は「昨年の経験を生かし、改良すべきことは改良してやるべき」と述べて、再開にあたっては制度の見直しを行う意向を明らかにしました。

具体的には、以下のことに触れました。

・週末に利用が集中することを避けるため、平日の利用を促すようポイントを深掘りすること

・大手の旅館、大手のホテルに集中したので、中小零細事業者へはポイントを深掘りすること

こうした利用者の集中を気にしていて、見直しを検討することを明らかにしました。

では、実際にいつから始まるのでしょうか。具体的には何も決まっていません。GoToトラベルは、予算がついたままで途中ストップした状態で、再開の時期も何も決まっていません。

GoToトラベルを所管する観光庁によると、今月中をめどに旅行分野のワクチン・検査パッケージの実証実験を行っています。

例えば、客にワクチン証明を見せてもらう時間をスムーズにできるか。まず、運用の面での課題の洗い出しをします。さらに、2週間後に、客に聞き取りして感染拡大させていないか確認します。そうして上手く機能するか検証します。その上で、11月にガイドラインを作成したいとしています。その後、再開するかどうか、専門家と協議した上で決定する方針です。

ただ、岸田総理も18日、こうした取り組みに対する期待と国民の安心安全とのバランスをしっかり考えていかなければならないと、きちんと手順を踏んでいく姿勢を示しました。


■独自の県民割などを始める動きも

これまでのGoToトラベルについては、国内旅行を対象に旅行代金の半額を補助するというものでした。

しかし、急速な感染拡大を受け、去年の12月28日に全国一斉に利用を一時停止しました。感染状況が改善したことを受け、地域によっては、独自の県民割などを始める動きもあります。

千葉県が18日から段階的に再開するのは「ディスカバー千葉」です。これは、千葉県独自の宿泊者優待キャンペーンで、1人1泊5000円を上限にキャッシュバックするというものです。

これは県民に限らず、県外に住む人も対象でしたが、段階的に再開するということです。当面、利用は県民が家族や同居者と宿泊する場合に限るということで、県外在住者はまだということになります。

また、これまでに優待券を入手している人のみで「新規の発行」はまだ再開しないということです。

次に熊本県です。県内の旅館などの利用客に1人1回あたり最大5000円を補助する「くまもと再発見の旅」を15日から再開しました。対象は、県内在住者のみで、条件は次の通りとなります。

1.「日常的に接している4人以下」
2.「同居家族などは5人以上でも可」

広島県も15日から、県民を対象とした旅行補助事業「やっぱ広島じゃ割」を始めました。県内での宿泊や、旅行ツアーの代金を最大で半額、県が補助します。こうした動きは各地で始まっています。

感染対策と経済の回復の両立に向けて動き始めていますが、一足飛びではなく、徐々にステップを踏んでいくことになります。これには、一人一人の感染対策が大前提となりますので、引き続き意識していきたいです。

(2021年10月18日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)