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輸入牛肉値上げで牛タン高騰 要因は中国?

2021年10月15日 21:14
輸入牛肉値上げで牛タン高騰 要因は中国?

緊急事態宣言が解除になり、外食もしやすくなってきましたが、輸入牛肉の値上げが続き、ミートショックとも呼ばれています。中でも冷凍牛タンの卸売価格は去年の1.8倍になっています。その要因の一つに中国でのある現象が関係しています。

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東京・港区の牛角・品川店。炭火で焼かれているのは、ほどよく脂がのった黒毛和牛のカルビです。

牛角・広報担当 安田悠平さん
「黒毛和牛カルビが、何皿でも半額価格で楽しめます」

焼き肉チェーンの牛角では、15日から10月末まで、何皿でも黒毛和牛カルビが半額に。(「黒毛和牛半額フェア」979円→489円  ※アプリのクーポン利用で可能 10月末まで)

最近、輸入牛が値上がる“ミートショック”が起きていますが、緊急事態宣言の解除で久々の外食を楽しんでほしいと、ハラミやロースステーキなども割引きにしたといいます。

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“気兼ねなくお肉をいっぱい楽しみたい!”と思いたいところですが、ミートショックでより大きな影響を受けている飲食店もあります。それは牛タン専門店です。

たん焼 忍・キッチンチーフ 上原拓馬さん
「コロナ前と比べまして、仕入価格が2~3倍に上がってきています」

この店では、牛タンを使った料理の一部を300円から400円値上げしたといいます。

たん焼 忍・キッチンチーフ 上原拓馬さん
「原価率を計算して、これくらいあげないと無理だということで」

アメリカ産の冷凍牛タンの卸売価格は去年に比べて1.8倍に上がりました。

値上がりの影響は、飲食店だけでなくスーパーにも及んでいます。

コモディイイダ滝野川店 星幸太郎店長
「(牛タンの)仕入れ値がここ最近ですと、約1.5倍値上げになっております」

ただでさえ食卓に登場する機会が少なかった牛タンの値上がりにお客さんは…

買い物客
「おいしいのにもったいないな。自分じゃ買えないですね」

買い物客
「130グラムで1000円でしょ。いいお値段よね。あがってますね」

一体何が起こっているのでしょうか?

肉の卸業者によりますと、この値上がりの要因の一つに中国が関係しているといいます。

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記者(中国・北京)
「こちらは北京市内の焼き肉店なんですけど、牛舌専門店と書いてあります。牛タンがウリなんですね」

店内に入ると、日本の焼き肉店のような内装です。

記者
「日本風の飾り付けがしてありますね」

お客さんは、皆一様に七輪(しちりん)で牛タンを焼いています。

お客さん
「牛タンはおいしいと思います。かむ食感が好きです」

実は最近、中国でも牛タンを食べる人が増えているといいます。

店の責任者
「(牛タンの)流行がきていると思います。人気が出ているし、この流行は止まりません」

店は“牛タンブーム”が来ていると話しました。

中国ではタンを含む牛肉の輸入量も急増していて、去年は2019年よりおよそ3割増えています。

中国メディアは、コロナで海外旅行に行けないことが国内での牛肉消費を押し上げていると分析しています。

店の責任者
「中国の人々が裕福になって、もっとおいしい料理を求めたり、新しい体験を求めるから(牛タンは)伸びしろがあると思います」

また、日本の肉の卸業者によりますと、中国で増加する消費に押され、日本が牛肉を買い負けている傾向にあるといいます。そのため、一頭からとれる量が少ない牛タンが顕著に響いているということです。

牛タンの値上がりは今後も続く見通しです。