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ガソリン高騰 クリスマスケーキに影響の訳

2021年10月13日 18:42
ガソリン高騰 クリスマスケーキに影響の訳

ガソリン価格の高騰が止まりません。6週連続で上昇し、7年ぶりの高値となりました。一方、クリスマスケーキに欠かせない、いちごを栽培する農家では、ハウスを暖める燃料も高騰するなど、影響は広がっています。

利用客(26)
「こんな上がっているんだって感じで、でも使わざるを得ないので」

利用客(70)
「生活に響きますね。急激に上がると困りますね」

悲鳴が聞こえてきたのは、都内のガソリンスタンド。12日に157円だったレギュラーガソリンの価格は13日、159円に。シンエネ八幡山SSでは、3週間連続で値上がりしているといいます。

そのため、客足にも影響が…。

シンエネ八幡山SS・佐藤大所長
「本来だったら高値でなければ、もうちょっとお客様にきていただけたのかなという印象」

緊急事態宣言が明け、車を使う人が増えると予想していましたが、この高値で客足が思うほど伸びていないといいます。

去年の4月には130円を下回っていた、レギュラーガソリンの小売価格の全国平均は、右肩上がりで高騰。13日に発表された全国平均の小売価格では、1リットルあたり162.1円と、6週連続の値上がり。2014年10月以来、7年ぶりの高値となっているのです。

なぜ、値上がりが続いているのでしょうか。

石油情報センターによりますと、コロナの影響で石油の需要が少なくなり、産油国が大幅な減産を行いましたが、世界的に経済が回復し始め、需要が高まってきています。ただ、再びの感染拡大を懸念し、産油国は減産を続けているなどの要因があるといいます。

   ◇◇◇

調理から提供まで、すべてを車で行うキッチンカーにとっても、この高値は死活問題です。

深沢バル・高橋了オーナー
「ガソリン代だとか、そういったものを踏まえて、一日の売り上げ、販売食数の目標を決めているので」

ガソリンの価格が上がると、利益を出すためにはその分、弁当を多く販売しなければならず、天気が悪い日などは赤字になる日もあるといいます。

さらに――

深沢バル・高橋了オーナー
「(ガソリンの高値は)経営の方に影響している。メニューの価格に反映せざるを得なくなってくるのかなと思いますね」

   ◇◇◇

あのフルーツにも思わぬ影響が出ています。

町田いちご狩り農園・宮崎政明代表
「ここ、いちご農園なんですよね」

これから旬を迎えるいちご。苗を植えたばかりのハウスには、小さな花が咲いていました。育てるためには、ハウスの中を10℃に保つ必要があるため、寒くなるとボイラーでの温度調節は欠かせません。しかし、その燃料代が高騰しているのです。

町田いちご狩り農園・宮崎代表
「すごく痛手ですよね。費用はどんどん上がるだけですね」

さらに、いちごといえば“約2か月に迫ったあのイベント”にも影響が――

町田いちご狩り農園・宮崎代表
「ちょうどクリスマス時期になってくると、いちごが重宝されるんですけど、燃料が上がってしまうと、その分、いちごの単価を上げるような形になってしまう」

クリスマスケーキに欠かせない、いちご。今以上に燃料代が高くなってしまうと、いちごの価格に転嫁せざるを得ない状況になってしまうということです。

   ◇◇◇

この高値でも、車に乗りたくなるよう工夫したサービスも登場しています。主に使った時間などによって料金が決まるカーシェア。

ガソリン代はというと――

タイムズカー広報担当・渡邉倫也さん
「当社が負担するような形になっています。ガソリンの価格の上昇下降に関係なく、気にせずにカーシェアリングご利用いただける」

また、利用客は給油すると、30分利用料金の割引サービスも受けられます。

利用客(40代)
「(高騰に)振り回されないで済むので、そういう意味では気楽。使いやすい」

専門家によりますと、この先2、3か月は、ガソリン価格がさらに上昇する可能性があるということです。