×

米外交官謎の体調不良ハバナ症候群に支援法

2021年10月9日 3:05
米外交官謎の体調不良ハバナ症候群に支援法

世界各地で勤務するアメリカの外交官が原因不明の体調不良に陥るいわゆる「ハバナ症候群」と呼ばれる問題をめぐり、被害者への財政支援を強化する法律が8日、バイデン大統領が署名して成立しました。

「ハバナ症候群」は、外国の大使館などで勤務するアメリカの外交官や情報機関の職員が、頭痛や吐き気、聴覚障害など、原因不明の体調不良に陥る現象で、2016年に、キューバに駐在する外交官の間で初めて報告されました。

その後、同じような健康被害が中国やベトナムなど各国で相次ぎ、脳に損傷を負う重症者も出るなど、アメリカメディアによると、200人以上が被害を訴えています。

直近では先月、CIA(=中央情報局)のバーンズ長官がインドを訪問した際、同行したスタッフに「ハバナ症候群」の症状が出たと報じられていました。

この日、バイデン大統領が署名して成立した法律には、国務省やCIAが、脳に損傷を負った被害者への支援金を支払うことなどが盛り込まれています。

大統領は声明で、「この事件に対処することは、政権の最優先事項だ。総力を挙げて、原因や犯人の特定など、事件の真相究明に取り組む」と強調しています。

外交官らが「ハバナ症候群」になる詳しい原因はまだ特定されていませんが、アメリカの科学アカデミーは去年12月、電磁波などの「高周波エネルギーによる可能性が最も高い」と、意図的な攻撃であることを示唆する報告書を発表しています。