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岸田新総裁 就任前後の発言に変化

2021年10月1日 21:08
岸田新総裁 就任前後の発言に変化

自民党の岸田文雄新総裁が会見などで強調した言葉が、就任前と就任後でどのように変化したかを「ワードクラウド」と呼ばれる手法で比較しました。

就任後の会見では「分配」という言葉を使い、「国民」に「寄り添う」姿勢を強調していました。

■新総裁就任会見 岸田氏が繰り返した「分配」

岸田文雄氏が総裁選告示日の演説(9月17日)と総裁就任後の会見(9月29日)で、どのような言葉をどれだけの頻度で話したかを、文字の大きさなどで表現する「ワードクラウド」で分析しました。

■総裁就任前「守り抜く」→就任後「分配」

ワードクラウドで最も大きくなった言葉を比較すると、総裁選公示日は「守り抜く」で、総裁選就任直後は「分配」でした。

岸田氏は「国民の生活を守る」「民主主義を守り抜く」「我が国の安全を断固守り抜く」という言葉で強いリーダーシップをアピールして総裁選をスタート。勝利後は「分配なくして次の成長はない」「今こそ成長と分配の好循環を実現する」と示した上で、「できるだけ幅広い国民のみなさんの所得、給与を引き上げる」と述べ、ワードクラウドでも大きく示された「国民」に「寄り添う」姿勢を強調しました。

■新自由主義から日本型「資本主義」へ転換 「民主主義」に対する危機感も

告示日の演説で、成長をもたらす一方で分断を生じさせているとして、新自由主義から日本型の「資本主義」への転換を宣言した岸田氏。就任後の会見では「年内に数十兆円規模の経済対策を策定する」と、具体的な金額を提示したうえで、多くの「国民」に協力してもらえる雰囲気を作っていきたいと述べました。

また、「民主主義」の重要さを説き、「我が国」の「民主主義」に強い危機感を持っていたことを明かしたうえで、我が身を「顧みず」真っ先に総裁選挙に手を挙げたと語りました。

■幅広い分野での「安全保障」を訴え

告示日の演説では「安全保障」の観点から、国民の暮らしや生活、領空領海領土、農業を「守り抜く」覚悟を表明した岸田氏。就任後は、外交の「安全保障」政策に焦点を当て、「自由で開かれたインド太平洋を構築していきたい」と、2016年に安倍晋三前首相が提唱した、インド太平洋を介し、アジアアフリカ地域の安定と繁栄を目指す構想に言及しました。総裁選で影響力を示した安倍前首相への配慮もうかがえます。

※ワードクラウド提供
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