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愛妻家の面も…岸田氏「丁寧で寛容な政治」

2021年9月30日 9:35
愛妻家の面も…岸田氏「丁寧で寛容な政治」

29日の自民党総裁選で、「ポスト菅」の座を射止めた岸田文雄氏。3代目として政界入りし、外交で力を発揮。「ポスト安倍」候補になったものの「調整不足」と批判も受け、菅政権では冷遇されました。愛妻家として知られます。その横顔と手腕は―。

■米大統領「広島訪問」初めて実現

自民党の新総裁に選ばれた前政調会長の岸田文雄氏は、1993年、35歳で衆議院に初当選を果たしました。祖父と父が国会議員で、自身は銀行に5年勤めた後、父・文武氏の秘書として、政治の世界へ入りました。

1999年の国会では、「議長ー!」と大きな声を張り上げる41歳の岸田氏の姿が。議員になってからは、若手の登竜門である議事進行係を務めていました。

2007年、50歳の時に第一次安倍内閣で、沖縄・北方担当相として初入閣しました。

2016年には外務相として、現職のアメリカ大統領による被爆地・広島訪問を初めて実現させました。連続在任期間は4年8か月で、戦後最長を記録。外交で力を発揮しました。

2017年には、当時の稲田朋美防衛相が辞任したことで、外相と防衛相を兼任する、異例の人事を経験しました。当時、記者団の前で、混乱して「外務」と「防衛」を言い間違える場面もありました。

■コロナ現金給付で…党内から批判

その後も自民党の政調会長として安倍政権を支えました。

2019年、当時の安倍首相と一緒に街頭演説に臨んだ際、安倍氏に「令和の時代は、ここにいる岸田文雄さんではありませんか!」と呼びかけられたことも。次を託したい意中の人として、「ポスト安倍」の有力候補になりました。

その一方、去年4月には新型コロナウイルス対策の現金給付をめぐって岸田氏は「1世帯30万円給付するべき」と主張したものの、その額が二転三転。最終的に10万円となり、党内からは「調整が不十分だった」として批判にさらされました。

■1年前は大敗…菅政権では“冷遇”

去年9月の総裁選に挑戦しましたが、菅氏が377票、岸田氏が89票と大敗を喫しました。その後の1年、菅政権が発足してからは役職に就くことができず、冷遇された日々を過ごしました。

今回の総裁選では、他の候補の誰よりも早く立候補しました。課題とされてきた“発信力のなさ”を払拭するため、SNSなどのライブ配信に力を入れてきました。

■“愛妻家”の面も…家族一丸で選挙

プライベートでは、岸田氏は31歳の時にお見合い結婚し、愛妻家として知られています。

今回の総裁選を前に党青年局・女性局が9月20日に開いた討論会で、自分の時間の過ごし方を聞かれ、岸田氏は「できるだけ私の妻と時間を過ごすようにしております」と回答。ライブ配信に妻・裕子さんと長男・翔太郎さんが出演するなど、家族一丸で戦いました。

新総裁となった岸田氏は、29日の会見で「丁寧で寛容な政治。これを進めながらも、決断すべき時はしっかりと決断をしていきたいと思っています」と決意を述べました。

(9月29日『news zero』より)