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槍ヶ岳で地震相次ぐ…落石発生し救助要請も

2021年9月20日 21:35
槍ヶ岳で地震相次ぐ…落石発生し救助要請も

長野県の北アルプス・槍ヶ岳で、男女合わせて7人が落石により身動きがとれなくなり、救助を求めました。一帯では、19日夕方から地震が相次いでいて、居合わせた登山者が落石の瞬間をとらえていました。

    ◇

19日夕方、長野県と岐阜県にまたがる槍ヶ岳で撮影された映像では、山から小さな石が落ちてきているのがわかります。映像を撮影した人は─。

動画を撮影した登山者
「登山が終わってテントで食事とか作っている時、地震が起きまして、それで落石が発生」

100人ほどがいたテント場で落石が起きたといいます。

動画を撮影した登山者
「夜中中ずっと(落石が)ゴロゴロと生きた心地がしなかったですね」

19日午後5時18分ごろ、岐阜県飛騨地方を震源とする地震が発生しました。震度4を観測した高山市に設置された定点カメラは、大きく揺れていました。

その後も地震は相次ぎこの一帯では、19日だけで震度1以上の地震を12回観測しました。さらに20日も─。

「また揺れた。揺れた、揺れた」

地震により発生したのが落石です。

「やばい、こっちも来てる」

遭遇した登山者は─。

登山者
「いたる方向から落石がありまして、不安でいっぱいでした」
「乗用車くらいの岩がゴロゴロと、大きな岩の岩陰に隠れるように一晩過ごした」

この落石により、19日、槍ヶ岳の登山者から相次いだのが救助を要請する通報です。男女7人が、一時身動きがとれなくなりましたが、20日朝までに4人が救助され、3人が自力で下山しました。また、東京都の61歳男性に落石が当たり、膝を骨折する重傷です。

    ◇

相次ぐ地震について専門家は─。

地震活動に詳しい愛知工業大学・横田崇教授
「岐阜・長野県境にかけて時々群発地震が、繰り返し発生している地域なので、今後も群発地震が発生することに注意しておくことが必要かと思います」

群発地震は数ヶ月続くこともあり、引き続き注意が必要だといいます。さらに─。

地震活動に詳しい愛知工業大学・横田崇教授
「震源の直上、登山されている方がいる山の中は、場合によっては震度6弱、6強の強い揺れになる可能性があります」

紅葉シーズンで登山客が多くなる時期ですが、専門家は落石や滑落、転倒などに十分注意してほしいと話しています。