露・コロナ専用巨大“臨時病院”内部を取材
アイススケート場を転用し、わずか1か月で完成したロシアの新型コロナ専用の臨時病院。NNNのカメラが取材を許可され、その内部に入りました。巨大な建物に備えられた最新の設備とは。海外でのコロナをめぐる最新の動きです。
■ロシア
710万人以上が感染したロシア。(感染者 710万2625人 死者 19万1165人 露・コロナウイルス対策本部 10日時点)
モスクワ中心部から車で30分。門をくぐると見えてきた巨大な建物。モスクワ市の新型コロナ専用の臨時病院です。
モスクワ市の1日の新規感染者が6月のおよそ9000人から、現在は2000人以下まで下がったこともあり、NNNのカメラが取材を許可されました。
最初に安全な「グリーンゾーン」で、防護服に着替えます。
記者
「実際に着てみても、かなり暑いです」
続いてゾーンを分ける緩衝用の部屋へ。ここを通り抜けると、コロナ患者が入院している「レッドゾーン」に入ります。
巨大な臨時病院の中を進んでいくと、そこには観客席がありました。
記者
「ここ、観客席なんですけれども、実はコロナの臨時病院、元々はスピードスケートのリンクだったんです」
屋内アイススケート場を臨時病院に転用したのです。2020年4月に建設が始まり、およそ1か月で完成したといいます。
ベッドは1347床。現在は200人ほどが入院し、医師180人、看護師180人で対応しています。
設備はトイレ150台、シャワー136台。全てのベッドに酸素が供給されています。
また、全ての医療書類がデジタル化され、紙が必要ありません。
病院長
「現代の病院が保有する技術は全てこの病院にあるので、臨時病院とは言えないくらいです」
この病院では、主に中等症の患者が入院しています。
中等症の患者(43)
「正直に言うと期待していませんでした。本当にかなり重い状態でここに来ました。中等症の場合、この病院のような治療を受けないと悪化します。自宅待機はやめた方がよいと思います」
そして、昼になると、患者がベッドの辺りでランチをとる様子が見られました。この日は、白身魚と野菜のラグー、麦のスープなどが提供されていました。
一方で、症状が悪化する患者もいます。最近、集中治療室のベッドを42から70以上に増やしたということです。
病院長によると、この臨時病院が最初の患者を受け入れたのは完成から5か月後、感染第2波が始まった2020年10月でした。
病院長
「(先に建てたことで)我々に余裕が生まれ、コロナに感染した患者の区別ができた」
コロナ感染者と、それ以外の患者を治療する病院をしっかり区別できたことは、医療態勢に大きな意義があったということです。
■アメリカ
世界最多の4060万人以上が感染したアメリカ。(感染者 4060万2891人 死者 65万4598人 米ジョンズ・ホプキンス大 10日午後5時時点)
ニューヨーク市内の老舗デパートでは…
記者
「ニューヨーク市内のデパートなんですけど、大勢の人が集まっています。実はその先でブロードウェー再開を祝うイベントが行われているんです」
感染拡大の影響で閉鎖していたブロードウェーの劇場が14日から本格的に再開するのに合わせ、イベントが開かれていました。
デパートの中にある高級日本食レストランでは、特別メニューで祝福。
「こちらがブロードウェー弁当です」
ハマチの刺し身やエビのスパイシーソースあえなど、5品の豪華メニューです。
デパートに来た人
「ライブ公演の楽しみというのがニューヨークがニューヨークたる理由」
デパートに来た人
「この新型コロナの状況下で再開するものがあるのはいいですね」
■フランス
696万人以上が感染したフランス。(感染者 696万2968人 死者 11万5942人 米ジョンズ・ホプキンス大 10日午後5時時点)
記者
「こちらの舞台裏では、ダンサーたちが自分の出番を前にストレッチを行うなど、入念な準備を行っています」
世界で最も有名なキャバレーともいわれるパリの老舗「ムーランルージュ」です。
観光名所の1つですが、感染拡大の影響でおよそ1年半にわたって閉鎖。しかし、10日からついに営業を再開することになり、9日、リハーサルが公開されました。
ダンサーたちが一斉に足を上げる“フレンチカンカン”などを披露すると、客席からは大きな歓声があがっていました。
リハーサルを見た人
「衣装・女性たち・ダンス・演技、全てが素晴らしかった。パリの魂を見ました」
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世界ではこれまでに2億2319万人以上が感染。460万人以上が死亡しています。(感染者 2億2319万1274人 死者 460万5889人 米ジョンズ・ホプキンス大 10日午後5時時点)