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“緊急事態”延長へ 若者の重症化“増加”

2021年9月6日 21:13
“緊急事態”延長へ 若者の重症化“増加”

東京の9月6日の感染者数は968人と、7月19日以来1000人を下回りました。一方、全国の重症者数は10日連続2000人以上で、医療のひっ迫度は深刻さを増しています。6日後に期限を迎える緊急事態宣言ですが、政府は首都圏4都県などについて、2週間から3週間程度延長する方向で調整に入りました。

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名古屋市 河村市長(6日)
「症状が全くなしということでございまして、(自宅療養では)3食ご飯が出るものですから大変ありがたいなと」

9月1日、新型コロナの陽性が確認され、現在も自宅療養を続ける愛知県名古屋市の河村市長。6日、リモートで会議に出席しました。

名古屋市 河村市長(6日)
「(ワクチンは)相当効いているのではないかということでございますので、市民の皆さまにも積極的に打っていただくといいかなと」

感染する前にワクチンを2回接種していた河村市長。改めてワクチンの重要性を呼びかけました。

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一方で、全国の重症者数は5日時点で2198人と、依然として高い水準にあります。

心配されるのが、ワクチンを接種できない幼い子どもたちの感染です。

都内の小児科クリニックでは、9月1日、1歳8か月と2歳4か月の子どもがPCR検査を受けていました。

医師はこれまでとの違いとして…

クリニックばんびぃに 時田章史院長
「(以前は)例えば3人兄弟がいましたら、1人ぐらいが陽性になるということが多かった。最近では2人もしくは3人、それから1歳未満の赤ちゃんまで発熱して陽性になるという、そのようなお子さんも経験しています」

感染ルートについては、ほとんどが親から子どもですが、子どもから親に感染するケースも1例あったといいます。

新学期も始まる中、医師が訴えるのは…

クリニックばんびぃに 時田章史院長
「今後の感染対策を考えれば、12歳以上のお子さん、(ワクチン接種の)機会があればぜひやっていただければと思っています」

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宣言下にある埼玉県のクリニックでもこの週末、PCR検査を待つ人などで待合室がほぼ埋まっていました。

このクリニックでは、屋外に設置した“コンテナ”を病室とし、中等症のコロナ患者を受け入れています。

子どもがいる前で医師の診断を心配そうに聞く母親。

別の病室では…

あゆみクリニック 藤川万規子院長
「さっきレントゲンとりましたら、肺炎があります。このまま放っておいたらダメなので」

さらに、別の病室には20代の患者がいました。

あゆみクリニック 藤川万規子院長
「肺炎像が8月27日にはっきりして、まだきっかりあるんですよ」

医師は、ここ最近の傾向として、すぐに入院が必要なほどの重篤な肺炎を起こす20代、30代の若い患者が増加傾向にあるといいます。

あゆみクリニック 藤川万規子院長
「肺炎の(患者の)中に30代20代の方、基礎疾患がなくても重症な肺炎の方を見るようになって」

全体の患者数も増えているため、病室をさらに増やす予定だといいます。

あゆみクリニック 藤川万規子院長
「中等症で肺炎があるかないか、この治療を今すれば重症にならない“分かれ道”を担っていると思うと、1人の命は重いですから、その重さをすごく感じます」

中等症の患者の重症化を防ぐため、奮闘を続ける医療従事者。

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“重症化”を防ぐことにもつながるワクチン接種も各地で進められています。

新宿区は6日から区の業務に携わるエッセンシャルワーカーや繁華街の飲食店従業員などを対象とした職域接種をスタート。

その新宿にある「歌舞伎町」はかつて、“夜の街”と知事から名指しされましたが、積極的に接種を受ける飲食店関係者の若者の姿がありました。

歌舞伎町で働くホスト(22)
「我々ホストでも打てるので、その点に関しては新宿区に感謝です」

ワクチン接種を急ぐ事情は神奈川県有数の観光地にも…。

横浜中華街は大型駐車場にワクチン接種会場を開設。

横浜中華街発展会協同組合 高橋伸昌理事長(7月)
「職域接種申し込みをしたんですが、精査というのはどれくらいに出るんでしょうか」

当初は、7月中旬頃の職域接種開始を目指してきました。

しかし…

横浜中華街発展会協同組合 高橋伸昌理事長(9月5日)
「国のワクチンの配給の遅れによりまして、9月1日からやっと始まりました」

結局、接種を開始できたのは1か月半遅れの9月1日。その間に接種を済ませた人などで半分以上の予約がキャンセルとなったため、周辺の商店街の従業員や地元の住民などにも開放することとしたのです。

それでも、無事接種を終えた人からは、安心したのでしょうか、接客中、自然と笑顔が…。

“働く人と地域を守る”ため、ワクチン接種を呼びかける横浜中華街。

横浜中華街発展会協同組合 高橋伸昌理事長
「コロナの問題が起きた時から、中国=中華街と結びつけられて、いろんな風評被害にあってきた。いまだにそういった影響が残っている。にぎわいが当たり前のような時代に早く戻ってもらいたい。そのためにはワクチン接種というのは非常に大きな手立てになると思います」

かつてのにぎわいを取り戻すため、3000人あまりにワクチン接種を行う予定だということです。