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企業が注目する働き盛りの女性の病気リスク

2021年8月28日 12:35
企業が注目する働き盛りの女性の病気リスク

乳がんや子宮けいがんは20代~40代の働き盛りにかかりやすいことを知っていますか?自分の健康よりも仕事や家庭を優先してしまいがちな女性に向けて、使いやすい医療やサービスの発表が相次ぎました。

■働き盛りの女性がかかりやすい“がん”のリスク

オンライン診療サービスなどを展開するMICINが25日、新たながん保険をスタートしました。MICINが注目したのは、働き盛りの女性がかかりやすい、乳がん、子宮けいがん、子宮体がんです。

これらは、ほかのがんと比べて比較的若い年齢でかかることが多いがん。20代~40代でかかるリスクが高まるといいます。一方で、生存率は9割を超えていて、治療後の生活や再発防止のことも考えなければなりません。

このような特性から、MICINは、若くしてがんにかかって治療費がかさみ、再発への不安を抱える人がいることを問題視していました。がん保険の中には、がんの摘出手術をしてから5年~10年は加入できないものが多く、万一の再発などへの経済的な備えを整えておく必要に迫られているがんサバイバーがすぐ利用できないのです。

■治療中でも入れる乳がん、子宮けいがん、子宮体がん専用保険

今回発表したのは、乳がん、子宮けいがん、子宮体がんの「がん再発保障保険」。術後の治療を続けている途中であっても、手術から6か月経過していれば申し込みが可能で、がんの再発や、新たながんの治療に備えることができます。

がんを経験した女性の声に耳を傾けながらこの保険を開発したMICINの笹本晃成さんは、「職場に迷惑をかけたくないので退職した」「私の治療費でこれ以上、家計を圧迫したくない」といった声を多くきいてきたといいます。自分が病気にかかったときすら、職場や家庭への影響を気にしてしまう女性たち。その苦心を目の当たりにした笹本さんは、今後、この保険をより多くの人が、より安く利用できるよう努力するとしています。

■医療から遠のきがちな女性へ手軽な健康診断を

女性の病気リスクに取り組む意外な企業も。26日、PARCOが発表したのは、女性が必要とする医療を一か所に集めた拠点をつくる計画です。今年11月から、大阪府にある心斎橋PARCOのワンフロアに、産婦人科、皮膚科などの医院や、健康課題の解決に役立つ「フェムテック」商品の売り場、健康について学べるギャラリーを設置します。

この事業の背景にあるのは、女性が医療にアクセスしにくい現実。厚生労働省が2010年に行った調査では、健康診断を受けていない女性の割合は、男性と比べて10ポイント高い40%にのぼりました。男性が企業を通じて健康診断を受ける中、女性はそのような機会がない場合も多く、「時間がとれない」「お金がかかる」といった理由から健康診断を受けなくなってしまうのです。

PARCOの森田幸介さんは、女性にとって身近な商業施設の中に医療の拠点を設けることで、「平日夜や土日など、ショッピングのついでに気軽に利用してほしい」としています。大切なことだとわかっていても、「まだ元気だから大丈夫」と後回しにしたり、遠ざけたりしがちな病気への備え。しかし、新しいかたちの医療やサービスは、私たちに少しずつ利用しやすくなってきています。


■画像:PARCOが計画中の医療拠点
「Welpa」完成イメージ