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谷真海4度目パラへ 新たな挑戦支えた家族

2021年8月24日 20:25
谷真海4度目パラへ 新たな挑戦支えた家族

24日に開幕した東京パラリンピック。金メダル候補として期待されるのがトライアスロン日本代表・谷真海選手(39)です。

谷選手は19歳の時、骨のがんといわれる骨肉腫を発症し、右足ひざ下を切断します。2011年には東日本大震災で故郷、宮城県・気仙沼市が被災しました。

東京オリンピック・パラリンピックの招致活動に携わっていた谷選手は2013年のIOC総会でスピーチ。英語で故郷が被災した経験を交えながら「スポーツの力」を訴えました。

元々は陸上・走り幅跳びの選手だった谷選手は、アテネ、北京、ロンドンでパラリンピックに3大会連続で出場しました。2014年には招致活動で知り合った谷昭輝さんと結婚。翌年、長男・海杜くんを出産しました。2016年、瞬発力が必要な走り幅跳びは年齢的に厳しいと考え、以前からトレーニングの一環として取り入れていたトライアスロンへ転向。「一歩一歩前に足を進めていくところでやりがいにもつながりますし、ゴールのうれしさにもつながっていきます」と谷選手は語ります。

これまでとは全く異なり、子育てをしながらの挑戦となりましたが、夫・昭輝さんが大きな支えとなっています。毎朝、朝食を作り、海杜くんを保育園へ送るのは昭輝さんの役目です。「女性が出産後、アスリートとして戻っていくには、やはり旦那さんのサポートなくしてはかなわないことなので、そこに関しては最初から応援してくれるスタイルだったので、ありがたいなと思います」と感謝する谷選手。

さらに長男・海杜くんも大会の時は応援へかけつけ、沿道から「ママがんばれー」と声援を送ってくれます。家族の支えもあり、2017年に初出場した世界大会で日本人として初めての優勝を果たしました。

そして先月、東京パラリンピック出場条件を満たす世界ランキング9位に入り、自身4大会目となるパラリンピック代表の座を勝ち取りました。「家族の存在なくしてこの2020大会へのチャレンジは無かったです。同じような喜び・葛藤を共有してこれたので良かったと思います」

谷選手が東京パラリンピックの舞台で伝えたいこと。それは8年前と変わらず、被災地の復興支援の時、確かに感じた「スポーツの力」です。

「当時、(被災地の)子供たちと話をして、もう一度頑張ろうという力を逆に私がいただいていたので、『あの時の真海さんが出てる。夢の舞台に立ってる』ということで感じてもらえるものがあったらいいなと思います。復興から10年という思いも込めてその場に立ちたいですし、今度は私が何かしらの力を届ける番かなと思います」

谷選手が出場するトライアスロン女子PTS5は8月29日に行われます。