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脱出したアフガン人女性 軍用機の中で出産

2021年8月23日 20:43

イスラム主義勢力タリバンが実権を握ったアフガニスタンでは、混乱が続いています。23日には空港で銃撃戦が起き、1人が死亡しました。

アフガンの首都カブールの空港。タリバンの支配から逃れようと国外脱出を求めて押し寄せた大勢の市民。すると、治安部隊が市民を追い払うために発砲しました。

撮影者
「兵士が子供に向けて発砲している」

タリバンによる首都掌握から1週間。空港周辺ではこの1週間で少なくとも20人が死亡しています。ロイター通信によりますと、23日には空港の入り口で、治安部隊が武装した一団から攻撃を受け銃撃戦になり、兵士1人が死亡しました。

一方で、国外脱出中に生まれた命も――。

アメリカ軍によりますと、脱出したアフガン人女性が軍用機内で女の子を出産しました。女性はドイツに到着後、病院に搬送され、子どもとともに健康だということです。

アメリカは自国民の避難を軍が支援していますが、バイデン大統領は、その支援がアメリカ軍の撤退期限である今月31日以降も続く可能性に改めて言及。

バイデン大統領
「軍内部では(撤退期限の)延長について議論している」

さらにバイデン政権は避難を加速させるため、有事に民間機を動員する制度を利用し、大手航空会社の民間機も参加すると発表しました。日本政府も現地に残る日本人らの退避のため、自衛隊の輸送機を派遣すると発表。23日から順次、出発します。

   ◇◇◇

一方で、アフガン国内ではタリバンの支配に抵抗する動きも出ています。地元メディアによりますと、北部バグラン州でタリバンが制圧していた三つの地区を抵抗勢力が奪還。また、北東部・パンジシール州に拠点を置く反タリバン勢力の指導者、アフマド・マスード氏は、タリバンが攻めてくれば戦う姿勢を示しました。

アフマド・マスード氏は、かつての反タリバン闘争の英雄マスード司令官の息子です。

反タリバン勢力指導者 アフマド・マスード氏
「パンジシール渓谷の民は強く団結していて、どのような全体主義的政権に対しても守り・戦い・抵抗したいと思っている」

マスード氏は「戦争は望んでいない」とも強調しました。ただ、抵抗勢力に対して、タリバン側が数百人の戦闘員を向かわせたという情報もあり、緊張が高まっています。