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若者に呼びかけも…接種に“大学格差”

2021年8月21日 18:10
若者に呼びかけも…接種に“大学格差”

新型コロナウイルスの感染急拡大が続く中、感染者のおよそ半数を占める若い人たち。カギとなるはずの若者へのワクチン接種には、ある“格差”がありました。

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東京・府中市にある東京外国語大学。この日、学生へのワクチン接種の2回目が行われ、およそ1000人が接種を受けました。

これまでにない急激なスピードで新型コロナウイルスの感染拡大が続く東京都内では、半数近くを20代以下の若い人が占めています。また全国的に大学寮や部活動のクラスターも頻発しています。

東京都・小池知事「重症、中等症になる若い世代が増えている。ワクチンもぜひ若い方も打っていただきたい」

ワクチン接種が呼びかけられる中、この大学では、夏休み期間中に学生へのワクチン接種を進めようと、ある工夫をしました。

東京外国語大学 総務企画部・君塚剛 部長「医療従事者の確保が医療系学部のない本学にとって最大の課題でしたが、4大学が協力して接種をできた」

従来は学生の単位をやりとりする東京医科歯科大学など4つの大学との枠組みをワクチン接種でも活用したのです。東京外大が会場を提供し、医療従事者を多く抱える東京医科歯科大が打ち手を派遣。4つの大学が協力してワクチン接種を進めてきました。

君塚部長「特に留学を予定してる学生からはワクチン接種をお願いしたいと要望があったので、大学としてもなんとか実現に向けて動きださなきゃいけない」

ただ、ここへきて問題が起きました。

君塚部長「学生の接種をさらに2000人規模で予定はしていたのですが、ワクチンの供給ができないということで中止にいたった」

国からのワクチン供給の一時停止…大学でのワクチン接種は、6月21日から本格的に始まり、全国392の大学が政府に申請しましたが、ワクチン供給が追いつかず、接種を停止せざるを得ない学校が出ているのです。他の大学でも…

明治大学学生「大学の方から延期の連絡が来ていまして、ずっと待っていた状態」「夏休み中に全学生が受けられるような体制にしてほしい」

明治大学では、6月23日に政府に申請しましたが、ワクチン供給が遅れに遅れ、来月1日からようやく開始となりました。一方で、早稲田大学はおよそ半数の学生が、医学部や附属病院を持つ慶応大学も、すでに76.4%が、1回目の接種を済ませるなど大学の間で“格差”が生じているのです。

21日までに接種を開始できたのは申請数の半分以下の185大学。大学での接種を所管する文科省の担当者は、ワクチン供給について「申し込み順に加え、地域への貢献など総合的に判断している」としています。

こうした中、東京都は、若者へのワクチン接種を進めようと、3つの大学と連携して接種会場を開設しました。青山学院大学では学生食堂を使い、1日2000人の接種を目標に、青学の学生だけではなく、都内の他の大学に通う学生なども対象にしています。

大学生「コロナウイルスに少しおびえながら生活しているので、ワクチン打ったことで以前通りの学生生活が送れたらいいなと」

来月中旬まで予約枠はほとんど埋まっていますが、都は、今後枠を増やしていく方針です。また、渋谷駅近くに予約なしで接種が受けられる若者向けの接種会場も設けます。

都の担当者は感染拡大を抑えるためにも、感染者が多い若い人へのワクチン接種がカギになるとして、夏休みの間になるべく多くの学生に接種を受けてもらいたいと呼びかけています。

8月もあとわずか。いかに若者のワクチン接種を加速できるかが問われています。