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入院まで10日以上「初めて命の危険を…」

2021年8月19日 2:32
入院まで10日以上「初めて命の危険を…」

新型コロナウイルスのデルタ株に感染し、中等症と診断され入院中の30代の女性は、症状が出てから、入院まで10日以上かかりました。「命の危険を感じたのは初めて」といいます。入院中、思いを話してくれたわけは…。

    ◇◇◇

東京・江東区のある病院は、軽症・中等症の新型コロナウイルス患者を受け入れています。しかし、その病室には─。

医師
「もう少し人工呼吸器の方、続けてもらって良くなってくれば、酸素マスクに変えていきますんで、もう少しですから頑張ってください」

人工呼吸器をつけた40代の重症患者の姿がありました。重症患者に対応する病院に依頼しても入院させることができず、受け入れざるをえなくなっているのです。14床ある病床は、常に満床です。それでも─。

看護部長
「(入院できるまで)2~3時間大丈夫ですか?はいわかりました」

緊急性の高い中等症患者の入院要請があったため、やむなく受け入れたといいます。

コロナ患者の対応にあたる白石廣照医師
「これまでと比較して、今が一番苦しい。先週日曜日は(夜間に)14例がコロナ患者受け入れ要請。しかし、満床なので残念ながら、受け入れることができませんでした。病床増やせれば増やしたいが、病院のキャパシティーとしては、これ以上は受け入れられないので申し訳ない気持ちでいっぱい」

    ◇◇◇

一方、別の病院に入院中の30代の女性は─。

入院中のコロナ患者(30代)
「命の危険を感じたのは初めてでした」

症状が出始めたのは今月2日です。一時は熱が40度を超え、その後、陽性が判明しましたが─。

入院中のコロナ患者(30代)
「保健所から連絡来るのも3日かかって、(症状出て)10日以上自宅で苦しい日々を過ごしていたのが事実。息が“ハアハア”という感じがエンドレスに続いている感じ」
「(感染)経路がわからないから。いつも手洗いもしてたし、気を付けていたにもかかわらず、こんなことになったので、自分を責めることしかできなかった」

自宅療養中、血中の酸素飽和度は一時、80%台前半まで下がったといいます。症状が出て1週間後には、救急車を呼びましたが─。

入院中のコロナ患者(30代)
「(救急車がきたとき)96(%)や92(%)で、『これは搬送できない』と、2人救急隊員、申し訳なさそうに帰って行った。置いて行かれてこのあと急変して、倒れてしまったときにどうするんだろうと恐怖でしかない」

ようやく入院できたのは、今月13日でした。感染したのはデルタ株、女性は中等症と診断されました。

入院中、思いを話してくれたのはなぜでしょうか─。

入院中のコロナ患者(30代)
「正しい知識を報道とか、私のこういう実体験で知ってほしいなと。(自宅療養中の人は)入院することをあきらめないで頑張ってほしい」

そして、感染者が増えている同世代に対しては─。

入院中のコロナ患者(30代)
「本当にあまく見ちゃだめです」

    ◇◇◇

一方、沖縄県は、18日、新規感染者が過去最多を更新し、重症病床の使用率がすでに9割を超えています。例年、夏休み期間は観光客で賑わう国際通りも、18日は閑散としていました。

店員
「めちゃくちゃ(人が)少ないですね。先週の方がいっぱいいたので。今はガラガラですね」

県内の病院では、17日、基礎疾患のない30代の患者に人工呼吸器がつけられていました。この病院では、重症患者4人を含め、29床中、28床がすでに埋まっています。

友愛医療センター救急科・山内素直医長
「特にこの2週間でも重症患者の急激な増加は、びっくりするくらいのスピード。危機的だといわれるけど、私から見るともう壊滅的だと」

感染者数がピークかどうかわからない今の状況は、どう受け止めるのでしょうか─。

友愛医療センター救急科・山内素直医長
「1年後には楽になるから今頑張ろうって、励ましあってやってきた。さらに状況が悪くなってきていることに対して、本当に先が見えない中で、どうやっていけばいいんだろうと」

こうした状況の中、病院をさらに悩ませているというのが─。

友愛医療センター救急科・山内素直医長
「実際、観光客の搬送も多いです。新型コロナ以外で羽目を外して、けがして運ばれてくるとか、歓楽街で飲み歩いて、酔っ払って運ばれてくるとか」
「私たちはいつかマスクを外して、満面の笑みで笑い合える日がくるのを夢見ながら日々コロナと戦っています。1人1人が自分に何ができるのか考えて行動してほしいなと」

8月18日放送『news zero』より。