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医療ひっ迫 重症者5日連続で過去最多更新

2021年8月17日 20:21
医療ひっ迫 重症者5日連続で過去最多更新

止まらない感染拡大。全国の重症者は16日時点で1646人となり、5日連続で過去最多を更新。医療体制のひっ迫に拍車がかかっています。

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「コロナが陽性」

電話を受けるのは民間の救急搬送会社のスタッフ。コロナ患者搬送の依頼です。防護服に着替え向かったのは都内の病院です。

運ばれてきたのは2日前に陽性が確認された40代の女性です。入院していた病院がコロナ未対応のため、対応可能な病院に転院します。

搬送開始時はしっかりと座っていた女性。しばらくすると上半身を前に倒し、うずくまります。

患者
「できれば寝ていたいです」

女性はベッドに移りました。

女性の酸素飽和度を測ると数値は94%。中等症にあたる値だったといいます。

いつ容体が急変するかわからないコロナ患者の搬送。これまで依頼は1日5件ほどだったといいますが、日によっては対応できず、5件ほど断ることもあるといいます。

パル移送サービス 餅田昌宏さん
「第5波になってから、10件を超えるような問い合わせが毎日続いている状態」

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医療現場もギリギリの状態が続いています。

日本大学板橋病院 病院長補佐・総合科 高山忠輝部長
「依頼が非常に多くて、いちどきに重なることも多くて受けきれない状況もある」

日本大学板橋病院では、一般患者用のベッドを100床も減らし、コロナ患者用の病床をなんとか56床確保。それでも6床ある重症病床は毎日満床で、50床ある一般病床も常に40床以上は埋まっているといいます。

日本大学板橋病院 病院長補佐・総合科 高山忠輝部長
「一般の病床を閉じて対応しないといけないという状況が発生しています。感染防止に関しては、みなさん自覚をもって生活していただきたいと」

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ただ、夜の街ではこんな実態も…。

高熱で額に大粒の汗が浮かぶ男性。コロナに感染し、先週まで自宅療養していた新宿・歌舞伎町のホストクラブ従業員です。

ホストクラブ従業員
「もう息苦しさとふらふらな状態で、もう本当に立ち上がれない感じ。夜寝て、起きなかったらどうしようかなとか」

実は男性、これが2度目の感染。感染者は発症から10日間は外出自粛が求められますが…。

ホストクラブ従業員
「どうしても行かなきゃいけなかったので。人に任せるより僕がやった方が楽かなと思いまして」

10日がたたないうちに“出勤していた”というのです。

「早いだろうなと思ったんですけども、特に誰も気にしていない」

Q.客との距離とかアクリル板は?

ホストクラブ従業員
「ないですよそんなもの」

Q.マスクはあまりしていない?

ホストクラブ従業員
「いや、まったくしてないです」

新宿区の保健所は感染者が急増する中、電話連絡ができない場合には、10日間自宅療養するよう携帯のショートメッセージを送るとしていますが。

ホストクラブ従業員
「届いていないんですよ」

Q.しっかりと告げられていたら在宅でいようと?

ホストクラブ従業員
「でも、ある程度日数がたったら自分の体調と相談して出ていたと」

男性はどう過ごせばいいかのアドバイスがなく、食料も尽き、外出せざるをえなかったとも話しています。

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感染拡大を防ぐために急がれる医療提供体制の強化。

さらに今回の政府案では、感染拡大を抑えるとしてテレワークの必要性を掲げています。

西村経済再生相
「テレワークも出勤者数の7割削減を目指すということでお願いしてきていますが」

こうした中、テレワークの拡大を手助けする取り組みも…

テレワーク・テクノロジーズ 荒木賢二郎代表取締役
「このように机と椅子とWi-Fiと電源だけがあるシンプルな個室になっています」

都内にある会社では感染拡大を受け、8月3日からこうしたテレワーク用の個室を提供しようと専門の予約サイトを開始。現在、個室は都内を中心に40か所ほどあるといいます。

実はこうした個室…

テレワーク・テクノロジーズ 荒木賢二郎代表取締役
「例えばシェアオフィスですとか、シェアハウスですとか、いろんな個室が使われずに残っているということで」

少しでも有効活用しようとするもの。また、誰でも手軽に利用できるよう、1時間からの利用も可能だといいます。

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これまで全ての要請に従ってきた都内の居酒屋。現在はランチ営業のみでなんとか経営を続けていますが、

根室食堂 平山徳治店長
「だらだらまた延長かっていう、そういう感想しかないんですけど」

売り上げは、コロナ前の1割未満まで減少。さらに4月に申請した給付金は8月中旬の現在も支給されないといいます。

根室食堂 平山徳治店長
「政府として持続化できる仕組み、最低限、申請日から1か月以内に支給される、そういう仕組みを作っていただきたい」

4度目の緊急事態宣言の延長。効果のある感染対策とともに我慢し耐えている事業者への支援も求められます。

(news every.2021年8月17日午後6時ごろ放送)