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自宅で酸素を投与…「本来だったら入院」

2021年8月17日 1:40
自宅で酸素を投与…「本来だったら入院」

16日夜、政府は緊急事態宣言に7府県を追加し来月12日まで延長する方針を固めました。こうした中、重症者最多が続く東京の病院では、搬送先が見つからず救急車の中で10時間以上待機する事態も起きていました。

    ◇◇◇

16日、街の人から漏れたのは─。

会社員(20代)
「びっくりですね。こんなに長引くとは、思っていなかったので、飲みに行けないのが苦しいですね」

長引く「緊急事態宣言」について、16日、政府は、東京や大阪など6都府県に発出している緊急事態宣言を、来月12日まで延長する方針を固めました。

宣言延長について街では─。

会社員(50代)
「まあしょうがないかな、感染者が増えているので」

会社員(30代)
「緊急事態宣言慣れてしまって、出社制限もかなり緩和されていますし、電車も人多いんで、あまり効果が出ていないのかなと」

また、新たに今月20日から茨城・栃木・群馬・静岡・京都・兵庫・福岡の7府県を宣言に追加する方針を固めました。さらに「まん延防止等重点措置」については、新たに宮城や広島など10県に適用する方針を固めました。

16日、都内で新たに確認された新型コロナウイルスの感染者数は、2962人で月曜日の過去最多を更新しました。都の担当者によると「旅行宿泊お出かけに伴う感染が散見される」ということです。

16日、亡くなったことが報告されたのは、5人です。このうち40代の男性は、軽症で自宅療養中に容体が急変したということです。

16日、全国で確認された感染者は、14日連続で1万人を超えました。また、15日時点の重症者は1603人で、4日連続で過去最多を更新しました。

    ◇◇◇

こうした中、24日に開幕する東京パラリンピックについて、16日夜─。

丸川五輪担当相
「すべての競技について、より厳しい措置として無観客とすること」

東京都・小池知事
「無観客になることは大変つらいものでありますけど、しかしながら安心安全な大会を開催してこそと」

すべての会場で無観客が決定されました。ただ、地元の児童生徒に割り振られる枠については、自治体が希望する場合は実施するということです。

    ◇◇◇

コロナに感染した新宿・歌舞伎町のホストクラブ従業員は、先週まで自宅療養していました。高熱で、額まで汗がびっしょりになっていました。

コロナに感染し先週まで自宅療養していた新宿・歌舞伎町のホストクラブ従業員
「息苦しさとふらふらな状態で本当に立ち上がれない感じ。はっている感じですね。夜寝て起きなかったらどうしようかなとか。上半身、胸の周りがめちゃくちゃ痛くて、内側から突き上げられるようにズッキン、ズッキン、ズッキン、ズッキンしていて」
「自分の中では2度目だったんで、8割9割そうだろうなと」

実は男性、これが2度目の感染でした。感染者は発症から10日間は自宅の外に出ないことを求められますが─。

ホストクラブ従業員
「どうしても行かなきゃいけなかったので、人に任せるより僕がやった方が楽かなと思いまして」

10日がたたないうちに出勤していたというのです。

ホストクラブ従業員
「早いだろうなと思ったんですけども特に誰も気にしていない。(店からしたら)『たかがコロナか』って感じですかね。満卓、シャンパンの回し飲み当たり前」

客との距離やアクリル板については─。

ホストクラブ従業員
「ないですよそんなもの」

マスクはあまりしていないのでしょうか─。

ホストクラブ従業員
「いや全くしてないです」

新宿区の保健所は、急増する感染者全員に電話ができず、10日間、自宅療養するよう携帯のショートメッセージを送るとしていますが─。

ホストクラブ従業員
「届いていないんですよ」

しっかりと告げられていたら、在宅でいようとしていたのでしょうか─。

ホストクラブ従業員
「でも、ある程度日数がたったら、自分の体調と相談して出ていたと」

男性はどう過ごせばいいかのアドバイスがなく、食料も尽き外出せざるをえなかったとも話しています。

    ◇◇◇

16日、神奈川県では、過去最多の2584人の感染が確認されました。

「18階、看護師さんとれますか?どうぞ」

今月7日から横浜市で稼働している「酸素投与センター」は、入院が必要なほど病状が悪化した患者が、搬送先が決まるまでの間、酸素を投与してもらうため一時的に入る施設です。

医療従事者
「酸素の量とか調整していきますけど、苦しかったり何かあったらまたおっしゃってください」

酸素投与中の患者
「今のところ全然」

酸素を投与されていた女性は、入院先が見つかり、16日、この施設から救急車で搬送されました。これまでに37人が利用し、長い人で4日間滞在したということです。

自宅療養は酸素投与が生命線の厳しい現状があります。医師が訪ねたのは都内の30代の男性宅でした。

菊池医師
「頭上げてください」

男性は、ひどい肺炎で一時、酸素飽和度は85まで下がりましたが、「酸素濃縮装置」で酸素を投与するなどの治療で96まで回復しました。

菊池医師
「酸素入れたのが、一番楽だと思うんですよね」

患者
「呼吸がだいぶ楽になりました」

菊池医師
「本来だったら、今の状況は入院なんです」

患者
「そうなんですか」

その後、入院先が決まったということです。酸素濃縮装置は、数としては足りているのでしょうか─。

ファストドクター・菊池亮代表医師
「正直不足してきている、というのが現状。15日の時点で、残数がほとんどなくなってしまって、一時(都から)供給が受けられない時間帯があった」
「今、感染をしてしまうと、しっかりとした医療が受けられなくなってしまう可能性があると思います。一人ひとりが徹底した感染対策を心がけていただきたいと」

8月16日放送『news zero』より。