×

前線停滞…今後の雨雲は?木原予報士が解説

2021年8月16日 20:07
前線停滞…今後の雨雲は?木原予報士が解説

先週から九州を中心に記録的な大雨となり、各地で厳重な警戒が続いています。大雨をもたらしている前線は週後半まで停滞を続けるとのことですが、今後の見通しなどを気象予報士の木原さんに聞きました。

■九州の西側の海上に活発な雨雲の帯

16日(月)夕方の時点で、九州の西側の海上には活発な雨雲の帯が見られます。その一部がすでに鹿児島県内に到達しており、激しい雨が降っている所もあります。

16日(月)午後5時現在、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県の一部に土砂災害警戒情報が発表されており、土砂災害の危険度が非常に高まっている状況です。

■今後の雨雲の予想

今後の雨雲の予想です。午後6時の状況は、九州はもちろん、紀伊半島や関東地方にもまとまった雨雲があります。この後は九州北部、南部に活発な雨雲が見られ、中国地方や四国などでも断続的に雨脚が強まる所もありそうです。西日本では次々と雨雲が流れ込んでくる予想で、一部は東日本や北日本にも広がる見込みです。

いったん17日(火)未明から朝にかけて、雨のピークが訪れる予想ですが、大雨の中、暗くなってからの避難は非常に危険です。危険なエリアにお住まいの方は明るいうちにためらわずに避難をお願いします。

■この先の傾向…前線に少し変化

そしてこの先の傾向ですが、大雨をもたらしている前線に少し変化が出てきました。予想天気図を見てみると、17日(火)は前線上の低気圧が九州付近に接近、雨の降り方が強まる予想です。この前線が東日本方面にも伸びており、雨のエリアが広がりそうです。

18日(水)になると、さらに九州付近に次の低気圧が発生、北日本方面にも低気圧が接近します。そして19日(木)になると前線が再び南下、九州から東北地方にまたがる予想です。

さらにこの前線は20日(金)頃にかけて日本付近に停滞し続ける予想となっています。すでにこれまでの長雨で地盤が緩んでいたり、河川が増水していたりという状況が続いていますが、再び重大な災害が発生するおそれもあり、引き続き厳重な警戒が必要です。

■予想雨量

17日(火)夕方までに予想される雨の量は、九州と四国で250ミリ、中国地方で200ミリなどとなっています。さらにその後、18日(水)夕方までに四国や東海で200ミリから300ミリ、記録的な大雨となっている九州でもさらに100ミリから150ミリの大雨が予想されています。

危険を感じたら、避難情報が出ていなくても発表を待たずに避難し、外に出るのが危険な状況であれば家の2階などなるべく高い、崖から離れた部屋に避難するなどして、身の安全を確保してください。