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重症者増加 “抗体カクテル”恩恵得るには

2021年8月12日 1:49
重症者増加 “抗体カクテル”恩恵得るには

新型コロナウイルス感染者数のピークはどう予想するのか、「抗体カクテル療法」の恩恵を得られる人を増やすには、また若い世代のワクチン接種率を高めるにはどうしたらよいでしょうか。大阪大学医学部・忽那賢志教授にお話を伺いました。

    ◇◇◇

■新規感染者数のピークどうなる?

有働由美子キャスター
「感染症がご専門で、新型コロナ患者の治療にあたられてきた大阪大学医学部忽那賢志教授とお話を進めていきます。11日の新規感染者数ですが、東京は4200人でした。大阪は過去最多で、全国も、過去最多でした。ピークどう予想しますか?」

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「現時点でピークを予想するのは、まだ難しいと思います。増加率が1週間前から170%、160%増えたとなっていて、減ってきたというのが、はっきりと確認できていません。どこでピークがくるのか予想するのは難しいです。大阪も過去最高となっていますが、東京でまだ減り始めていません。東京と大阪の人の行き来は激しいですので、東京が減り始めないと、大阪もなかなか減ってこないのかなと思っています」

有働キャスター
「一方、重症者数ですが、11日、東京は197人でした。大阪は第4波の時、大変な状況でしたが、今またその時のような上がり方をし始めています。重症化する人が増えているのは現場でも感じますか?」

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「大阪大学は重症患者をメインに診療していますが、この1週間くらいは、連日のように入院患者が来ているという状況です。大阪全体でみますと、重症患者よりも軽症、中等症の患者が増えています。恐らく今後、東京のように軽症、中等症の患者が増えた後に、重症者が増えるのではないかと心配しています」

有働キャスター
「感染者数が増える中で亡くなる人は以前よりは抑えられていますが、こちらはどうみますか?」

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「亡くなる人が減っていることはいいことだと思います。多くの高齢者の方がワクチンを打ったおかげで、高齢者の感染者、重症者が減っていますので、亡くなる人が減っているということだと思います。ただ、40代、50代のまだワクチンを打っていない世代の人は、徐々に重症者が増えてきている状況です。今、医療体制がひっ迫すると、本来必要な医療が提供できなくなり、また亡くなる人が増えるのではないかと心配しています」

■「抗体カクテル療法」薬届くころには期限が…

有働キャスター
「現場の治療法は進んできたと言えるでしょうか?」

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「先月『抗体カクテル療法』というものが、承認されるようになりました。これで重症化リスクが高い人は、予防できるようになります。一方で課題もありまして、例えば、数が限られています。患者がきてオーダーをして、病院に届くまで数日かかったりします。本来この薬はなるべく早く、発症して7日以内に使用しないと効果が期待できないのですが、薬が届くころには7日を過ぎてしまっているというような問題があります。さらに、現在、重症化していない人が入院できないというような状況になりつつあります。この薬は今、入院患者にしか使えないということになっています。もう少し幅広く、外来患者で発症間もない人にも使用できるようにすると、この薬の恩恵が得られる人が増えるではないかなと思います」

■緊急事態宣言“期限で解除”厳しいか

有働キャスター
「治療薬を含めて、政府としては何をしようと考えているのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員
「まずは、政府としては何といっても、ワクチン接種を進めるということ、それから忽那教授からお話があった治療薬についても効果的に使えるよう整理していくという考えです。さらには、緊急事態宣言の実効性を高めるために、百貨店など大型商業施設の人数制限をしてはどうか、という議論もありますが、ある政権幹部は、『そうはいってもフロア毎の入場制限は出来ないし』と思案顔でした。今、出来ることとしては、『お盆で移動は控えてくださいと、もう1回言うくらいかな』と話していました。

有働キャスター
「緊急事態宣言は、期限の今月31日で解除できるのでしょうか?」

小栗解説委員
「総理周辺からは、『厳しいのでは』という声が聞こえてきています。ただ、『どこかで新規陽性者数は頭打ちになると信じたい』という声もあり、もう少し、推移をみきわめたいという状況です」

■“副反応へ不安”若い世代の接種率を高めるには

有働キャスター
「忽那教授が、政府にしてほしいことは、どのようなものでしょうか?

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「やはりワクチンに効果があるということはわかっていますので、40代、50代の重症化しやすい人に広げていくことも大事ですし、長期的にはやはり若い人にワクチン接種を進めてもらうことが大事です。若い人に、感染対策、ワクチン接種の情報が伝わるように、例えば、若い人に発信力がある人などに加わってもらい啓発をする、そうしたことを是非実施してもらいたいなと思っています」

有働キャスター
「辻さんは20代ですが、周囲の人のワクチン接種への感覚、考え方はどうでしょうか?」

辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「打ちたくても、まだ順番が来ない人も周囲に結構いますし、『待つしかないね』という空気がまず一つと、あと、例えば妊娠に関して現時点では『影響がない』と発表されていても、数年後はどうなるのだろう、という不安は時々聞きます」

有働キャスター
「忽那教授、数年後を考えた時、どうなのでしょうか?」

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「ワクチンというのは、健康な人が打つものなので、副反応に関して不安があるということはわかります。ただ、ワクチンの作用機序からすると、数週間以内に何らかの副反応が起こることはありますが、数年後、長期的に何かが起こるということは考えにくいと思います。効果と副反応の正しい情報を知ってもらった上で、是非接種するか検討してもらえればと思います」

有働キャスター
「やはり若い人もワクチンを打つことが大事なのでしょうか?」

大阪大学医学部・忽那賢志教授
「接種するかどうかは自身で決めてもらうということでいいと思いますが、やはり今、若い世代が感染の中心になっていますので、若い人もワクチン接種率が高まっていかないと、感染者は減ってこないだろうと思います。日本でコロナの感染者数が減るためには、若い人も含めて接種率を高めていく、ということが重要だろうと思います」

8月11日放送『news zero』より。