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患者女性「死の覚悟」東京重症者が過去最多

2021年8月11日 0:23
患者女性「死の覚悟」東京重症者が過去最多

「身近に感染した人がいない。もしかしたら(自分は)感染しないんじゃないかという思いがありました」

病室でこう語るのは、新型コロナウイルスに感染し、現在入院中の埼玉県の女性(55)。

「いざ自分が感染してみて、死を覚悟するような病気だということも実感しました」

女性は先月30日、職場の同僚の感染が確認されたため、翌日に検査を受けたところ、今月1日に感染が判明。発熱や関節の痛みなどの症状がありましたが、保健所の判断で、しばらく自宅療養が続いていました。入院できたのは感染確認から1週間がたった8日のことでした。

血液中の酸素飽和度が91%まで下がったため、保健所に連絡。病院で中等症と診断されたということです。

「すぐに入院できなかったときの気持ちとしては、『もう私はこのまま死ぬのかもしれない』という死を覚悟しました。もし、(入院できずに)自宅療養のままだったら、今こうやって話していることは、まだできなかったかもしれないです」

すぐに入院できないワケ、それはいま全国的に起きている感染拡大です。

10日、都内の新規感染者は2612人。1週間前(3日)と、きのう(9日)を、それぞれを下回りましたが、その一方で、重症者は176人で、過去最多となりました。

また、感染力の強いデルタ株の感染が確認された人は3364人で、過去最多でした。

8日連続で、1万人を超えた全国の新規感染者数。また、9日時点の全国の重症者は1230人で、8日から40人増加しました。

     ◇

千葉県内で中等症患者の対応にあたる国際医療福祉大学成田病院。ホテル療養中に症状が悪化した患者が運ばれてきましたが、重症化し、人工呼吸器での管理が必要になったため、5日ほどで、さらに別の病院に移されたということです。副院長の津島健司氏は警鐘を鳴らします。

「きのうなんて断っている。夜中のうちに5件きました。でもわれわれとれません。覚悟が必要ですよ。僕らのところに来たらなんとかできるけど、僕らのところに来ない前は、なんともできないので、自分で自分の命をもうちょっと考えないと危ないなと」

(8月10日放送『news zero』より)