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【解説】どう解決?外国人の「収容長期化」

2021年8月10日 23:37
【解説】どう解決?外国人の「収容長期化」

愛知県の名古屋出入国在留管理局の施設で、スリランカ人女性が死亡した問題で、出入国在留管理庁は、医療体制などに問題があったとする最終報告書を公表しました。この問題について、小野解説委員と落合陽一さんに話を聞きます。

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■小野高弘・日本テレビ解説委員

今あらためて注目されているのが、収容が長期化している問題です。不法滞在で入管施設が国外退去を求めても拒否し、日本にとどまりたい人が増え、収容が長期化している現状があります。ウィシュマさんもその1人でした。

まずは、退去を求められた側の人たちについてですが、逃亡の恐れがないのであれば、施設を出て社会の中で生活できるようにするなど、法改正が検討されていました。ただ、国会でまとまらず、現在はストップしている状況です。

一方、施設については、長期化にあった施設にできないのか。医療体制を含めて、今の施設は現状にあっていないと法務省関係者も話しています。法務大臣は改革すると述べています。


■落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)

これから外国人労働力が増えていく中で、いや応なく不法滞在の人も増えていくから、それに対応した施設にするべきです。“おいしい”ところだけとれない。人権は守られるべきです。

例えばワクチン。アメリカでは不法滞在者にも打っているんですね。不法滞在はちゃんと取り締まるけれど、入管はきちんと人権を守る。これらは背反しないと思います。


■有働由美子キャスター
入管に収容されている人には、さまざまな事情があると思いますが、10日、法務大臣も「送還することに過度にとらわれるあまり、収容施設として人を預かっているという意識がおろそかになっていたのではないか」と述べていました。

命を預かる施設で命や健康が失われる事態をどう防ぐか、日本が避けて通れない問題です。

(8月10日放送『news zero』より)