×

東京感染3000人超…入院患者に違う傾向

2021年7月28日 19:34
東京感染3000人超…入院患者に違う傾向

東京の新型コロナウイルスの感染者は、28日、初めて3000人を超え、全国の新規感染者も、28日午後6時時点で、初めて8000人を超えたということです。緊急事態宣言でも、感染の拡大が止まりません。病床がひっ迫し始めている医療現場では、入院患者にこれまでとは違う傾向が見えています。

    ◇◇◇

ついに3000人を超えた都内の新規感染者。3177人は過去最多で、21日から1345人増えています。緊急事態宣言が出る中でも、感染の急拡大に歯止めがかかりません。

都民
「これだけ人も出ていますし、在宅している人も少ないのかなと思うので、それくらい(感染者数が)積み上がるのかなと」

千葉県民
「ワクチン打つのやめておこうかなと、思っていたんですけど、ちょっと昨日の数字を見てワクチン打つことにしました」

小池知事は─。

小池都知事
「皆様方にはぜひ、不要不急の外出を控えてください。(テレワークの徹底など)みなさんの力を得て抑え込んでいきたい」

また28日、神奈川で1051人、埼玉で870人、千葉で577人、茨城で194人といずれも過去最多となっています。

政府は、埼玉、千葉、神奈川の、首都圏3県について、30日にも緊急事態宣言の発出を決定する方向で検討に入りました。

    ◇

感染が拡大する中、東京オリンピックは、6日目を迎えました。

東京オリンピックのオフィシャルショップでは、注目競技のキーホルダーなど多くの商品が品薄になっていました。

ピクトグラムが描かれた湯飲みを購入した人は─。

湯飲みを購入
「お茶を飲みながら、オリンピック見たいと思います」

自宅で観戦を盛り上げる商品も人気で、来店客は今月上旬のおよそ7倍になっているといいます。

    ◇

ただオリンピックで、急激に町に人出が増えているわけではありません。

携帯電話の位置情報の解析では、27日の夜の都内の人出は、一週間前と比べて六本木駅周辺などで増加しているものの、品川駅周辺でマイナス19パーセントとなりました。データが公開されている都内22地点のうち、15地点で減少しています。

それでも東京の感染者は、2日連続で過去最多を更新しました。感染の急拡大に医療の最前線では─。

東京医科歯科大学病院・植木穣病院長補佐
「第5波という状況なんだろう」

病床のひっ迫が近づいていました。

23日、東京医科歯科大学病院では、オリンピックの開会式が行われる中、医師らはコロナ患者の対応に当たっていました。

現在、重症用のベッド8床に対し患者4人、中等症用のベッド25床に対し患者21人の併せて25人が入院しており、病床がひっ迫し始めている状況だといいます。

中でも顕著なのが、デルタ株に感染した患者です。27日、撮影された映像では患者のすぐ近くに「L452R」、デルタ株(インド型)の張り紙がありました。デルタ株の患者が急増し、入院する25人のうち12人がデルタ株だということです。

東京医科歯科大学病院・植木穣病院長補佐
「デルタ株に関していうとですね。これまでに感染しなかった世代の方々に、多く感染しているという状況がありますので、中等症・重症かかわらず、40代・50代の方がかなり多くの割合を占めていまして」

入院する患者の平均年齢は48.6歳で、全員が、ワクチン接種が済んでいない人だということです。

    ◇

そして、埼玉県では、過去最多の870人の感染が確認されました。28日、埼玉県にある病院では─。

埼玉医科大学総合医療センター 病院長補佐 感染症科 岡秀昭教授
「こちらがいま入院している患者さんで、42歳、56歳、46歳と、ほとんどが40~60代の患者さんです」

60代以下の患者が8割を占めているといいます。その中には基礎疾患のない人もいました。

埼玉医科大学総合医療センター 病院長補佐 感染症科 岡秀昭教授
「普通の町で歩いている40~50代の方が、入院しているといって差し支えないと思います」

また、入院する患者が増加し、病床はひっ迫寸前だと話していました。

埼玉医科大学総合医療センター 病院長補佐 感染症科 岡秀昭教授
「(先週末から)入院する陽性者の数が2~3倍に増えて急激に病床が埋まって、重症の受け入れに関しては、今日時点で非常に厳しい状況になっている」

この状況が続けば、入院したくてもできない事態が発生するとして、危機感を募らせているということです。

    ◇◇◇

28日、政府分科会の尾身会長は─。

新型コロナ分科会・尾身茂会長
「強い対策を打って、みんなが危機感を共有しない限り、この傾向はしばらく続くと思います」

尾身会長は、医療のひっ迫が起き始めているという危機感を、政府や自治体、国民が共有することが重要だと訴えています。